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前澤氏「宇宙から500円配り」で困窮者から個人情報を吸い上げか。“前澤ペイ”爆誕でキャッシュレス勢力図に変化、カード入会で8000円を配る楽天に同情の声も

宇宙旅行を存分に満喫して地球に帰還したZOZO創業者の前澤友作氏による「宇宙からのお金贈り」。ネット上は、それに群がる人々が狂喜乱舞するという異様な状況となっている。

報道によると申し込みが始まったのは19日午後6時で、前澤氏は自身のツイッターで「宇宙から全員お金贈り開始します!! ハズレなしで全員に当たる。当選金は自分で使っても寄付してもOK。まずは金額抽選から」と呼び掛け。配られる金額は500円、1,000円、5,000円、1万円、10万円、100万円の6種類のようだ。

ネット上では、お金贈りに参加した人々からの悲喜こもごもの声が溢れるいっぽうで、応募が殺到したことによるサーバーのパンクも発生しているようで、ログインできない事例も相次いでいるという。

“お金贈り”の受け取りは電子マネーのみ

日曜の夜以降、ネット上で大きな話題となっている今回の件だが、実際に抽選に参加した人々の結果報告の声を見てみると、大部分の人々が500円の模様で、「99%は500円じゃないの?」「しょぼい」といった声も聞こえてくる状況。

しかしそのいっぽうで、今回の前澤氏による“宇宙からのお金贈り”によって、キャッシュレス決済の勢力図が激変する可能性があるという声も、一部からは聞こえてくる。一体どういうことなのか。

これまで3年間の“お金贈り”や“お金配り”で、30数億円を超える金を使ったと告白している前澤氏。その結果、ツイッターなどのSNSアカウントのフォロワー数は爆増し、それと同時に“前澤信者”とも呼ばれる自身のシンパ層を、ネット上に形成することにも成功した。

今では彼がお金配りを始めると、スポーツ紙などのメディアが必ず取り上げるほどに。そこまでの影響力を得られたとなれば、30数億円という投資も決して高くないようにも思えるが、今回のお金配りではいよいよ回収を試みようとしているといった見方も多い。

その証だということで取沙汰されているのが、今回のお金配りによって得たお金は、寄付する以外だと電子マネーによる受け取りしかできない点だ。今回のお金配りは、前澤氏らが設立した「株式会社ARIGATOBANK」なる会社が作った寄付アプリ「kifutown」に登録することで、応募できるようになっているが、その支払いは「kifutownで導入予定の電子マネー」で支払われるとアナウンスされている。

この「kifutownで導入予定の電子マネー」だが、ARIGATOBANKの代表取締役CEOを務める白石陽介氏は自身のツイッターにて、「kifutownが新しく開発中の電子マネーの残高として募集期間終了後に受け取りお買い物に使っていただく事もできます」と言及。つまりは、今後誕生する予定のいわゆる“前澤ペイ”にて支払われるという。

ちなみに、前澤氏の現時点でのツイッターフォロワー数は1161.7万人。もし仮に、前澤氏のフォロワーたちのほとんどが、今回の「宇宙からのお金贈り」にこぞって参加していたとすれば、ローンチ時点ですでに1,000万人規模のユーザーを誇る新たな電子マネーが、近いうちに登場することになるのだ。

前澤氏が集めまくった個人情報の行方は?

昨今はその利用者数が爆発的に増えている電子マネーだが、例えばQRコード決済のなかではPayPayが最早ひとり勝ちの様相と、業者間での優勝劣敗もひと段落したといったところ。

そんななかで、今からごく普通に新規参入を果たしたとしても、当面の知名度拡大と利用者獲得に相当苦戦することは目に見えているが、その点今後登場するであろう“前澤ペイ”は、その一番手間と時間がかかりそうなフェーズをまるっと省けそう。

要は“今なら新規加入者に500円キャッシュバック!”といった類のありきたりなキャンペーンを、前澤氏は“お金配り”という熱狂を呼ぶスタイルでやったとも捉えることもできる今回の件。ネット上では、楽天カードの“新規入会者に8000円分のポイント”が引き合いが出され、よっぽどお金配りの500円よりも高額なのにね、といった趣旨の皮肉交じりの指摘を見られるなど、その行為に対しての道義的な是非はともかくとして、前澤氏のやり方の上手さに多く人々が舌を巻いている様子だ。

いっぽうで、今回の「宇宙からのお金贈り」に関しては、先述の通り前澤氏らが手掛けるアプリ「kifutown」への登録が必要ということで、ネット上では“500円で個人情報を抜き取られて…”といった声もあがっている状況。

2020年にはOrigami Payがメルペイに吸収され、さらに2022年4月にはPayPayとLINE Payとの統合を控えているなど、再編の動きも活発なこの業界。それだけに前澤氏サイドとしても、今後“前澤ペイ”を成長させていくのではなく、シェア争いに躍起などこかの決済業者に1,000万人会員の情報とともに売り飛ばすという可能性も、まったく考えられなくはない。

とはいえ前澤氏も、別に不当な方法で個人情報を大量に抜き取ったわけではなく、目先の金が欲しい人々が自ら諸手を挙げて前澤氏に個人情報を差し出しているのが実際なところだけに、そういった人々に対しての同情の声はいたって限定的である。

今回のお金配りでは、電子マネーでしか受け取りができない点に関して「現金にしろ」との声が、かなり多くあがっている模様。500円程度のお金を現金で即欲しがるというのは、生活にかなり困窮していることが大いに考えられ、そういった層も前澤氏のお金配りには多く参加しているのが実情のようだ。前澤氏は一体、そんな生活困窮者たちの個人情報を大量に集めて、今後どうするつもりなのか。彼の宇宙帰還後の動向に注目が集まるところだ。

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