アナリストの悲観的な見方と予想
しかしながら、このような楽観的な見方をしている人々だけではない。ビットコインの価格は11月半ばの史上最高値から32%下落しており、アナリストはさらに下落すると予測している。
米国の大富豪であるトーマス・ペターフライによると、暗号通貨は不安定なので、財産の2%から3%程度を暗号通貨で保有するのが賢い方法だとしている。
また、デジタル資産管理のパイオニアである「Grayscale社」は、ビットコインの追加購入はしていないという。「Grayscale社」は暗号通貨最大の機関投資家であり、60万ビットコインを売り、他の資産に徐々に分散させているとしている。
また、暗号通貨の専門家である「@crypto birb」によると、暗号市場は方向性のコンセンサスがなく、前後に揺れ動いているという。大きな出来事がない限り、ビットコインの価格は下がり続けるかもしれないとしている。
そして、下げ相場こそ利益を出す絶好のチャンスだとして次のように発言している。「暗号通貨の市場で金持ちになるための秘訣を教えよう。他の人が恐れているときに、あなたは貪欲になれ。そして、他の人が欲を出しているときに、あなたは恐れよ」。
要するに、これから安値で買う絶好の機会がやってくるということだ。
エコノミストの悲観的な見方
このような悲観的な予想をしているのは、アナリストや経営者だけではない。エコノミストなどの専門家も同じような悲観的な見方をしている。
サセックス大学のファイナンス教授であるキャロル・アレクサンダーは、米大手テレビの「CNBC」に対し、ビットコインは2022年に1万ドルまで下がるかもしれないと語った。アレクサンダー教授は懐疑的で、ビットコインには本質的な価値がなく、相場上昇のサイクルはすでにピークを迎えていると感じていると発言した。
また、「ユニオンバンク」のトップエクイティストラテジストであるトッド・ローエンステインは、新型コロナウイルス対策での金融刺激策や低金利などの効果が薄れつつあるので、2022年にはビットコインや従来の市場に大きなマイナスの影響を与えるのではないかとしている。金融緩和の状況が終わり、流動性の潮が引いていくことで、過大評価されている資産クラスや、暗号通貨を含む投機的な分野に不相応な損害を与えることが予想できるとしている。