グレアムとバフェットのスタンスの違いとは何か?
グレアムは安ければ何でも買って目標価格に達したら容赦なく売った。
しかし、バフェットはグレアムの手法を発展させて「良い会社」が安いときに買って、会社が今後も成長すると思ったら、「売らないでずっと保有する」というやり方に転じていた。
「良い会社は毎年成長してくれて、その成長に合わせて株価も上がるのだから売る必要がない」と言うのがバフェット流だったのだ。
もっとも、どれが良い企業でどれが悪い企業なのか分からないので、バフェットも買った銘柄のすべてを超長期投資するわけではなく、筋の良し悪しで売却も臨機応変に行っている。
日本の大手商社への投資も、超長期になるのかどこかで売ることになるのかは分からないのだが、少なくともバフェットの基本スタンスは「良い企業を安く買って長く持つ」というものである。
バフェットの目からすると、2020年の段階では日本の大手商社は「5社まとめて買いたくなるほど安値で放置されていた良い会社」ということになる。
いよいよ大手商社に「巨大なカタリスト」がやってきた
バリュー投資にも、もちろん欠点はある。それは、安値で放置される株式は、何年も泣かず飛ばずであっても不思議ではないことだ。安いと思って買っても、誰からも注目されないまま何年経っても安値で放置され続けることは普通にある。
安いバリュー株がブレイクするためには何らかの「カタリスト」が必要だ。カタリストというのは「触媒」とも訳されるが、要するにバリュー株が見直されてブレイクしていく「きっかけ」を指す。
大手商社は今まで安値で放置されて見捨てられていたので、バフェットがこの大手商社の株を買ったとしても、何がカタリストになって上がるのかは分からなかった。
皮肉なことに「バフェットが買った」ということ自体がカタリストになって上がった分もあるのだが、より株価が上昇するためには「世の中を巻き込むような大きなカタリスト」が必要になる。
2022年の現在、いよいよ「巨大なカタリスト」がやってきたように私には見える。
それが資源高騰だ。