日本はあらゆる資源を国外から輸入しているのだが、資源危機において大きく注目されるのが大手商社だ。大手商社こそが日本の資源ビジネスの中枢だからである。資源価格が上昇するのであれば、大手商社の利益もまた増大する。そこで思い出すのが投資家バフェットである。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
2020年8月、バフェットは日本の「5大商社株」を買った
原油価格の上昇が止まらない。コロナ禍で止まっていた世界の経済が動き始めたことや、ウクライナ問題を巡る緊張や、供給がタイトになってきていることなどが複合的に絡み合って起こっている。さらに天然ガスなどの資源も上がっている。
そしてウクライナ問題の行方によっては小麦等の価格も上がっていくとも予測されている。ロシアもウクライナも小麦の産地であり、ここで紛争が起きたら小麦の供給が途絶えるからである。
日本はあらゆる資源を国外から輸入しているのだが、資源危機において大きく注目されるのが大手商社だ。大手商社こそが日本の資源ビジネスの中枢だからである。資源価格が上昇するのであれば、大手商社の利益もまた増大する。
そういうわけで今、多くの投資家が大手商社に着目するようになっているのだが、そこで思い出すのがアメリカ稀代の投資家ウォーレン・バフェットである。
2020年8月30日。ウォーレン・バフェットが、日本の5つの商社株を保有したとして大きな話題を呼んだのは記憶に新しい。
※参考:バフェット氏の投資会社、日本の5大商社株を5%超取得 – 日本経済新聞(2020年8月31日配信)
バフェットが保有することになったのは以下の銘柄だった。
・三菱商事<8058>
・伊藤忠<8001>
・三井物産<8031>
・住友商事<8053>
・丸紅<8002>

三菱商事<8058>

伊藤忠<8001>

三井物産<8031>

住友商事<8053>

丸紅<8002>
ウォーレン・バフェットが2020年から資源価格の高騰などを予測していたのかどうかは分からない。しかし、結果を見ればバフェットの投資は成功しており、さらにこれからもバフェットに大きな利益をもたらし続けるだろう。
バフェットがこれらの企業に費やした投資資金は約6,350億円規模であり、バフェットの資産から見ると小さなものだが、投資額から見ると決して小さなものではない。
なぜ、2020年の時点でバフェットはこれらの銘柄に着目したのか。商社が持つビジネスの特性に関心を持ったのは違いない。