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台湾侵攻は断念?ロシア制裁の威力に震え上がる習近平、「中立」の仮面を被ってプーチンを捨て駒に=勝又壽良

プーチン支援は高リスク

中国がロシア支援を言い出せない裏に、米国の対ロシア経済制裁で見せた「威力」に、足がすくんでしまったことを挙げなければならない。中国の「ロシア寄り」リスクが、極めて大きいことを実感させられたのである。

ロシアは、SWIFT(国際銀行間通信協会:世界の銀行間金融取引の仲介と実行)から排除されると同時に、欧米に預けられているロシア中央銀行資産の凍結もされる異常事態に陥った。

米国ドルは、世界で唯一の基軸通貨である。それは、世界の金融システムを支配していることでもある。中国やロシアが逆立ちしても敵う相手でない。その金融支配力の凄まじさが、ロシアをキリキリ舞いさせているのだ。

プーチン氏が、つい「核部隊待機命令」というあり得ない発言をした裏には、SWIFT排除の威力の大きさを覗わせている。それほど、世界の銀行間金融取引から除外されるデメリットは大きいのである。

これを見た中国が、経済的にロシア支援に動けば、中国も一緒に「処罰対象」にされかねないのだ。中ロは、揃って「金縛り」にあったのも同然の状態に追い込まれていると見られる。

米国は、ロシアへの経済制裁案の策定にあたり、中国が世界第二位の経済規模を生かし、ロシアを支援するかどうか徹底的に検討したという。中国が、ロシア産の原油や小麦・大麦などの輸入を拡大すること。金融支援のほかに輸出制裁対象品を秘かに提供し、ロシアをバックアップするという内容である。

米国は、対ロ経済制裁発動前にいろいろ検討した結果、中国が米国の制裁措置に著しく介入する可能性は低いと判断したという。仮に、中国がそうした行動に出れば、米国の巨大な市場や金融ネットワーク、中核技術に対するアクセスを中国企業が失う恐れがある。

米国は、中国経済の弱点を100%見抜いているのだ。

ただ、中国がロシアとの関係を深めていることに加え、過去に米国が北朝鮮やイランに制裁を科した際、中国が制裁回避をした事件を忘れてはならない。ファーウェイ副会長が、米国の依頼によりカナダで逮捕された一件である。

カナダで、21年12月まで米国へ身柄引き渡し裁判で拘留された事件は、イランへの不法輸出に関係したものである。被疑者が、米国と司法取引により犯罪を認めたので釈放された。

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