戦争への抗議などを理由とした民間企業のロシア国内での事業停止が相次ぐなか、ユニクロは当面、ロシアでの事業を継続する方針だと分かり、大きな反響を呼んでいる。
報道によると、ロシア国内において50店舗を展開しているユニクロだが、衣服は生活必需品ということで、状況を注視しつつ事業を継続すると、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が明かしたという。
いっぽう同社は、ウクライナへの支援としておよそ11億5,000万円と毛布やヒートテックなど20万点を提供ということで、柳井氏は「戦争は絶対にいけない、あらゆる国が反対すべきだ」とロシアの侵攻を非難しているという。
尾を引く“ウイグル問題”での拙い対応
これらのユニクロの対応に対して、ネット上では「個別の判断」と理解を示す声も一部からは聞こえるものの、やはり「ご冗談でしょう?」「日本の恥」などと、同社を批判する意見が圧倒的に多い状況だ。
ユニクロはロシア国内での50店舗の営業を継続するぞと柳井CEO。ご冗談でしょう???? https://t.co/eknUEdJs7b
— deepthroat (@gloomynews) March 7, 2022
ユニクロ
ロシア50店舗全てで営業継続エルメスやCHANELなどの
ラグジュアリーブランドは
ロシアの店舗を閉鎖https://t.co/qYvAQYHFPAH&MやZARAも停止を決め
ルイヴィトン120数店舗を始め
ディオール・グッチ・サンローラン
バレンシアガ・ボッテガらも閉鎖ユニクロは「日本の恥」だな。
— 丘田 英徳 (@okada_2019) March 7, 2022
確かに「衣服は生活必需品」という柳井氏の見解も理解できなくはないところであるが、それにしてもここまで批判を受ける格好となっているのは、やはり昨年大いに取沙汰された“ウイグル問題”に関して、同社が煮え切らない対応を続けたことが、尾を引いているからに間違いなさそうである。
強制労働の存在が指摘されている新疆綿を用いた製品を製造・販売していたユニクロ。他のアパレル関連企業が、抗議の意も込めて新疆綿の使用停止を決めるなか、ファーストリテイリングの柳井氏は「政治的には中立な立場でやっていきたい」「ノーコメントとさせていただきたい」などと明確な説明を避け、そのうえで新疆綿の使用を続行した。
その対応には、日本国内からも数々の批判の声が上がったのだが、それ以上に敏感に反応した感があるのが欧米諸国。アメリカでは、同社製シャツの輸入をロサンゼルス港にて差し止めする事態が発生し、さらにフランスでは検察筋がユニクロら4社を「人道に対する罪」の隠蔽容疑で捜査を開始したとも報じられたのだ。
“どっちにもいい顔”に「まるで武器商人」との声
ウイグル問題に揺れる最中での、ファーストリテイリングによる“ノーコメント戦法”は、日本国内における批判の声をやり過ごす意図があったとも指摘されていた。ただ、それは特に海外においてはまったく通用せず、日本国内以上にユニクロへの風当たりは強まる結果となった。
そのことを踏まえたうえでの、今回のユニクロによるロシアでの営業続行だけに、ネット上では「人権意識低いよね」などと散々な言われよう。またウクライナへの支援はしつつもロシアでの営業を続けるという“どっちにもいい顔をする”的な対応にも、多くの人々が疑問を呈しており、なかには「まるで武器商人」といった声まであがっている状況だ。
ユニクロってさ、人権意識低いよね。
私はもともと買わないけど。 https://t.co/Ak1SQEa4Sn— かめお (@kameo_himitsu) March 7, 2022
ユニクロはロシアにもウクライナにもどっちにも良い顔したいってことかぁ。なるほどねぇ。
— TOKI (@hokutotoki7) March 8, 2022
どっちにも武器を売る、武器商人みたいに見える
ユニクロ 当面ロシアでの事業継続 衣服は生活必需品(フジテレビ系(FNN)) https://t.co/L1RKDK629d
— DJ Kazu (@DJKazu11) March 8, 2022
ZaraやH&Mといった他のファストファッションブランドがロシアから撤退するなか、その状況を“ビジネスチャンス”とみているのではという見方までもあがっている、今回のファーストリテイリングの対応。ウイグル問題の際にも垣間見えた「人権より商売」とも誤解されかねないその動きに、批判の声は当分止みそうもない。
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