NYダウ、S&P500、ナスダックの主要3指数をまずチェックする
米国市場は日本の夜中ですので、普通の投資家はリアルタイムで見ている人は多くはないと思います。朝起きて米国株をチェックする見方を紹介します。筆者(ロン)が証券会社30年で必ずやっていたルーティンですし、当メルマガで毎朝配信している「xoxo投資部朝会」のポイントは、こうしたトレーダーの視点を要約しています。
NYダウ、S&P500、ナスダックの主要3指数をまずチェックします。プラスマイナスも重要ですが、指数をチェックするうえで大切なのは「モメンタム」です。騰落率にバラツキがある場合は、その理由。さらに、その指数の動きを牽引した主役の銘柄がなんであったかなどを確認します。これだけで、その日の東京市場の動向がかなり読めます。
たとえば、5月13日の東京市場は日経平均が678円も上げました。これは前12日のNYダウが103ドル安と7日連続安で年初来安値を更新したことから考えると違和感があります。7日間で34,061ドルから31,730まで2,331ドルも下げていました。新聞やメディアは悲観が相次ぎました。SNSでは「レバナス、含み損」「レバナス投げた」等の嘆きも増えていました。
しかし、前日のダウは103ドル安ですが、一時600ドルを下回る下げから引け前1時間だけで500ドル戻しているのです。モメンタムでは完全に上向きです。しかもナスダックは小幅ながらプラスでした。何か大きな変化が市場にあったと言わざるを得ません。
そのあたりを探ると、引け前1時間で大手IT株に大口の買いが入り始めたこと、ARKKのイノベーションETFが投げ売りでとんでもない大商いをしている等、相場の転換期に起きやすい変化が見えていました。まだ下げ止まったかどうかはわかりません。ただ相場に変化が生まれてきているのは確かです。
米国主要株価指数を見るだけで、かなり相場が見える
米国の株価指数を細かくチェックしたところで、毎日投資に有効な結論が出るわけではありません。ただ、投資家としてトレーダーとして市場の変化を少しでも気がつけるようになります。そうした積み重ねが相場の大きな転機をつかめるようになるコツです。
投資家やトレーダーは評論家ではありません。「NYダウが7連敗ですから今は投資を控えましょう」のような後講釈には意味はありません。市場の中にいるからこそ得られるヒントを大事にしています。ファンダメンタルズをベースにそのヒントを活かしながら投資ライフを楽しみながら継続することに意味があると思います。
そういったトレーダーの感覚を当メルマガで毎朝配信している「xoxo投資部朝会」では、わかりやすくいくつかのポイントに凝縮してお伝えしています。毎日米国市場をチェックする余裕のない人に少しでも応援します。もちろん、相場を読み違えることもあります。しかし、あくまで解説でなく、投資に役立つ気づきや分析を続けることで一番大事な経験値を高めることができるはず。「xoxo投資部朝会」は筆者(ロン)が外資系証券時代のセールストレーダーだった頃から、何十年も続けて、その情報を機関投資家や社内に送り続けていたものと同じようなものです。ぜひ活用して、どんどん質問してください。むしろ相場について話し合いたいです。
米国主要株価指数10種の特徴を掴もう
今回は、下記の米国指標を少しずつ理解していきましょう。
<NYダウ>
・厳選された世界的な優良株30銘柄のみで構成
・グローバル企業が多いため世界景気、世界株の指標にもなる
・数年に一度、産業構造の変化などに応じて銘柄入れ替えをする
・単純平均で算出しているので値嵩株のウエイトが高い(アップルなど値嵩株の分割の影響は大きい)
・ゴールドマン、JPモルガン・チェース、VISAなど比較的金融のウエイトが高い
・キャタピラー、ハネウェルなど景気敏感株のウェイト比較的高い
・ホームデポ、マクドナルドなど消費関連のウェイトも比較的高い
<S&P500>
・米国企業のみ500銘柄で構成
・浮動株比率50%以上、4四半期連続で黒字維持が条件
・時価総額で算出するので大企業のウエイトが高い
・機関投資家のベンチマークになることが多い(日本のTOPIXに相当)
<ナスダック総合指数>
・ナスダック上場のすべての銘柄対象
・時価総額で算出するので巨大IT系企業のウエイトが高い
・海外企業、赤字企業もOKでグロース系の指数の代表
・ハイテク比率、バイオ比率が高い
・グロース系で高PER株が多いため金利上昇局面で売られる
・現在は日経平均との連動性はナスダックのほうが高い
<ナスダック100>
・ナスダック銘柄から金融セクター以外で時価総額上位100が基本
・時価総額ウエイトゆえにGAFAMTのウェイトが非常に高い
・毎年12月に銘柄入れ替え行うので時価総額が伸びてきた会社が常に採用
・赤字企業でもグロースなら採用
・海外企業もナスダック単独上場なら採用
・常に銘柄入れ替えをして時価総額が増えた企業を採用する
・「真のグロース指数」と言え、この指数を長期積み立て投資するのは理にかなう