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ついにAV新法で失業する女優が出現。「AV不足」「地下化」など悪影響が拡大中、早くも“改正”を求める署名活動も

女性の立場を守るためといった建前で俄かにその機運が盛り上がり、瞬く間に可決・成立されたAV出演被害防止・救済法(AV新法)だが、その影響によってついに廃業に至るAV女優が出てしまったようだ。

AV女優からの引退を表明したのは愛上みおさん。自身のTwitterに今月18日に投稿した「御報告」によれば、デビューは今年2月ということで、まさにこれからといったところだったのにも関わらず、AV新法が成立して以降、7月は仕事0本、8月は1本、9月のオファーは無しというような状況に陥ったとのこと。

愛上さんは、AV女優としての活動と並行して、動物愛護活動を行うことが夢だったそうだが、撮影の予定が激減したことで安定した生活が立ち行かなくなったため、望んで就いたAV女優という職業からの引退という、苦渋の選択をしたようだ。

新法余波で今冬以降のAV発売本数が減る見通しも

今年6月の国会で可決・成立したAV新法。成人年齢引き下げで未成年者取り消し権の対象外となる18~19歳に関する、いわゆる望まないAVへの出演被害を防止するために作られたもの。

これにより、作品発表後1年間は出演者が無条件で契約解除することが可能となり、また業者には出演者への説明や契約を義務付けられることに。さらに、出演者が出演することのリスクについて熟慮する時間を確保するため、契約から撮影までは1か月、撮影から発表までは4か月という期間を置くことなどが定められている。

ところが同法の成立前後より、AV出演者から予定されていた撮影の中止や延期になったといった声が続出することに。その原因としては、AVメーカーが急に決まった新法に沿った新たな契約書づくりなどの対応に追われる状況となったことも挙げられているが、いっぽうで先述の“熟慮期間”の設定も、現場に多大な影響を与えているという。

人気AV女優の天使もえさんによると、昨今はコロナの影響で撮影直前に出演が急にキャンセルになるケースも多いようだが、以前なら別の出演者に急遽変更すれば何とかなったものの、AV新法によって契約書の作成とその後1か月間の“熟慮期間”を経る必要が。そのため、止む無く撮影を中止にせざる得ない事態が続出しているというのだ。

冒頭の愛上みおさんが、AV女優としての活動がまったく立ち行かなくなってしまったという現状も、AV新法施行後の上記のような現場の混乱が招いたと言ってよさそうだが、いっぽうでAV出演者のみならず、そのファンにも新法の影響がそろそろ出てくるのではないかという話も出てきている。

というのも、先述の通り撮影から発表まで4か月間の期間を置かなければならないということで、作品の発売スケジュールも大幅にずらす必要が出てきているといい、AV新法の成立・施行後から4か月後となる今冬の発売本数は、かなり減るのではないかという見通しが。さしずめ“AV不足”といった状況が到来することも、大いに噂されているといった状況だというのだ。

AVの“地下化”を危惧する見方も

このように、望まないAVへの出演被害を防ぐという趣旨こそは理解できるものの、業界の実情とあまりにもマッチしていない内容ゆえに、現場に大混乱を巻き起こす格好となっているAV新法。

密室でのわずか3か月ほどの検討期間に、国会での審議は1日という、急ごしらえにも程があるといったスケジュールで可決・成立した同法だが、その間にAV業界の現場へのヒアリングは行われなったとのもあり、となればこのような混乱も起こるべくして起きたといったところだろう。

AV業界では、そんな施行されたばかりのAV新法の改正を求める動きが早くも出てきており、先述の天使もえさんら多くのAV女優が先頭に立ち、10万人を目標とした署名活動も始まったところ。

とはいえ、業界の現状に即した形での改正が実際に行われるまでには、どうしても一定の時間がかかるのは確実な情勢。その間にも出演者をはじめとした現場の窮状は続くものと予測されるが、いっぽうで仕事量が激減したというAV女優に対しては、いわゆる同人AVからのオファーが相次いでいるという話も、ここに来て出てきているようだ。

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かつてアメリカでは禁酒法の最中に、マフィアが酒の密造・密売を行い、巨万の富を得たという歴史があるが、同様に今回の新法によってAVの“地下化”が進めば、そこに容易に参入してくるであろう反社会的勢力が潤うといった事態も大いに考えられるところ。新法成立を主導した議員らが、慎重な議論を略してまで同法を急いで施行に持ち込んだ意図は何なのかは定かではないが、そのことが及ぼす弊害は、想定以上に大きなものとなりそうだ。

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