不祥事が相次ぐスシローについて解説します。スシローの経営者は、実は外部から招かれたプロ経営者。今回の不祥事は、プロ経営者であるが故に起きたという側面が少なからずあるという気がしています。その実態について迫りたいと思います。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。
相次ぐ不祥事
スシローと言うと皆さんご存知、回転ずしチェーンで業界首位のシェアを誇ります。
しかし、その業界首位であるスシローが2022年に入ってから不祥事を連発しています。
<おとり広告>
6月にはおとり広告。
在庫が切れているウニやカニを「大々的に安く販売します」という線で売っておきながら在庫がない。実際にお店に行ってみたら、その目玉商品はすでにない。
これは景品表示法に基づく措置命令ということで、法的措置を受けています。
<生ビール品切れ>
さらに7月には、生ビール品切れ。こちらは2つありまして
- 生ビール半額になる前に店がポスターを掲示。⇒もう半額なんだと思って注文、実際にお会計してみたら、半額ではなかった。
- 半額期間中も在庫が十分になくて、品切れになるという店舗が多く出た。
これは、要するに準備不足。
ポスターも周知不足で早く貼ってしまって、ビール自体も在庫がないという状況になってしまいました。
<偽装マグロ>
また2022年8月直近では、偽装マグロ。
テレビなどでは「スシローの商品はメバチマグロを使っています」と謳っていました。それを記者がお客様相談室に尋ねたところ、ある商品に対して「これもメバチマグロを使っています」と答えたのですが、実際にDNA鑑定をしてみたら、実はキハダマグロであった。そういった偽装が発覚しているわけです。
このように不祥事が相次いでいます。
不祥事が相次いでるスシローですが、実は最近、非常に絶好調な会社だったのです。
株価はピークの半分以下

FOOD&LIFE COMPANIES<3563> 週足(SBI証券提供)
株価推移を見ると、2020年から2021年。まさにコロナ禍で株価が一気に駆け上がりまして、2倍ないし3倍というところまで株価が上がりました。
これは巣ごもり需要。皆さんがあまり外出できない中で、お持ち帰りの寿司を充実させたり、サクッと食べれるということもあって、むしろコロナ禍で好調になって株価が大きく上昇したのです。
ところが不祥事を受けまして、直近で株価ズルズルと下がって、株価はピークの半分以下になってしまっている。
コロナ前の株価に戻ってしまっているという状況があります。