直面する課題
<アフターコロナ>
これからスシローが直面する課題としては、アフターコロナ。この中でむしろ好調だったわけですが、そろそろ飽きられないかなという懸念があります。
<原材料高>
また原材料高でなかなか値上げできないなかで、利益を圧迫し続けるのではないか?
一方で日本人のマインドは、なかなかインフレに対応してないと思います。ゆえに高い回転ずし、これが1回家族で1万円とかなってくると「ちょっといけないよね」という話になってくるかもしれません。
<不祥事>
不祥事に関しては、今回イメージダウンは避けられない状況になっています。
それを受けて業績の下方修正を行っています。
こういった課題が様々ありまして今、スシローはこれまでのような好調な業績が続く状況になっていないわけなんです。
期待できるのは「海外事業」だが…
1つ期待するというならば、海外事業への話です。けれども、それはまたいつかの機会にお話できればと思います。
このようにスシローは一時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったのですが、プロ経営者による数字の作り上げ型というのは、こういった側面があります。
よって株を買う・企業を見るときには気をつけていただきたいと思います。
また投資家としては、例えばこの2021年とか22年に、つばめ投資顧問のお客様としても、スシロー買ってみたいという方々がいらっしゃいました。でもその時の株価、かなり高かったのです。PER40倍、50倍ありました。
確かに、経営としては素晴らしいんですが、そもそも回転寿司業界というと競争が激しい業界ですし、それだけ高いPERを許容できるようなものではない。
そのような理由から、いま投資を待った方が良いとアドバイスしました。それほど慎重に取引することは必要であろうと。
少なくともそういったPERが高いとか、株価が上がってるときはリスクが見えなくなってしまいます。しかしそういったリスクも認識して投資するということが、長期投資においては大事であると考えます。
もちろんどこかでは、リスクをとらなきゃいけません。でも無駄なリスクは取るべきでないというところです。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取り扱いには十分留意してください。
『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2022年09月22日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。