見習うべきは「スターバックス」
逆にどういう企業が大きく伸ばせるのかといったら、例えばここに例に挙げましたスターバックスのようなビジョンやリーダーシップ。これがあれば、従業員のモチベーションは高いまま、経営を進化させていくことができるのです。
スターバックスの事例はよく取り上げられます。
アルバイトで入った人も、最低24時間の研修を受けてから現場に配属されます。しかも現場にはマニュアルはなくて、1人1人のお客様に寄り添った接客をしましょうということが言われるのです。
それはスターバックスが第三の場所、職場でもない自宅でもない、リラックスできる空間を提供しますと。そういったビジョンに共感した人が、アルバイトとして入ってくることが多い。
その結果そういった人たちが、自発的に店舗経営を作り上げて、やがてハワード・シュルツというCEOがいなくなっても、スターバックスを大きくしていける土壌が出来上がりやすいのです。
一方でスシローにそういったものがあるのかいえば、スシローのお寿司です。確かに美味しいかったり、原価が高いということですから、いいものを安く食べられているというところはあるのでしょう。
しかしスシローが世の中に何か価値を提供したいかと言われると、ちょっとどうかなと思うところはあったりします。少なくとも、人を感動させたり、従業員のモチベーション上げたりするほどには、まだ至っていないのではないかなというところがあります。
そして長期投資家としてはというところで考えると、確かにこの数値改善による業績の成長というのは、目を見張るところがあって、必ずどの企業にも必要であるということは言えます。
一方で、もっと長期的な成長や安定した成長というところを見込むとするならば、これだけではなくて、付加価値。今のスターバックスのように「サードプレイスを提供するんだ」というものを、価値を生み続ける企業に投資した方が、長期では成果を出しやすいということが言えます。
今スシローは、株価上がって下がって行ってこいの形になってます。
例に挙げたスターバックスで見ますと、確かに上がったり下がったりはしてるんですが、この期間で何十倍にもなっているわけです。こういった企業を早く探して持ち続けたいということになります。
現段階においてスシローは、そこにもまだ至ってないのかなというところがあります。