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ビットコインは今が底なのか?FTX破綻の余波ではない、クジラが大量に売っている意外な背景=高島康司

ビットコインはいまが底値なのか?

ところで、いまがビットコインの底値なのだろうか?

これも先週の「テレグラム」で大変に話題になっていた。特に注目されていたのが、著名な投資家であるジェイソン・ピッチーノの予測である。

ピッチーノはビットコインの以前の上昇と下落のサイクルは、いつビットコインが弱気市場の底になるのか予想するための手がかりとなると述べている。現在の弱気市場は、2つの以前の下降トレンドと一致しているという。ピッチーノは次のように言う。

ビットコインが、以前のサイクルで見てきたものに再び非常に近くなってきています。最初のサイクル、2014年でした。相場のピークから411日後に底値を付けています。次のサイクルは2018年で、ピークから底値の期間は363日でした。ほぼ1年です。

このような過去のサイクルを根拠にすると、現時点では11月中旬が安値で、ピークは昨年の11月上旬頃でした。この期間は376日です。ですから、このまま1月に入り、もう1度底を打つ可能性があります。そしてその後は、2024年の半減期を目指す上昇過程に入ります。

ピッチーノはこのように述べ、ビットコインは1月にも底値を付けるので、トレーダーはネガティブな市場心理の中でも、ビットコインの急激な上昇に目を光らせるべきであるとアドバイスしている。

2023年もしばらくは続きそうないまのトレンド

だが、やはり2022年はビットコインを中心とした暗号通貨にとっては非常に厳しい年であった。「FTX」の破綻や「バイナンス」の破綻懸念など誰も予想していなかったいわばブッラクスワン的な出来事があり、相場も過去のパターンから予測できる範囲の変動を大きく逸脱した動きをしている。

ビットコインの半減期は早ければ2024年3月にもやってくる。過去の半減期のパターンでは、半減期が始まる16カ月ほど前から上昇を開始し、半減期を過ぎるころには、過去の相場のピークを36%ほど越える水準まで上昇している。このパターンを適用すると、今年の11月にはビットコインは上昇を開始していることになる。

しかし実際にはそのような値動きにはなっていない。11月始めには300万円程度にまで上昇しており、これからさらなる上昇が期待できる局面もあったが、11月8日から大きく値を下げ、現在に至っている。

もちろんその原因は11月11日の「FTX」の破綻である。これは大きな衝撃を与え、いまもその余波は拡大し、ビットコインを含む暗号通貨の将来に暗い陰を投げかけている。これで政府の法的な規制が強まり、暗号通貨のいくつかは将来消滅するのではないかとも懸念されている。

「FTX」の破綻は方々に影響しているが、中でも「FTX」に投資していた「DeFi(分散型金融)」の痛手は大きい。「FTX」のアカウントの資金が引き出せなくなっているので、破綻する「DeFi」も出てきている。

そして「DeFi」の破綻は、ビットコイン相場の低迷で厳しい経営状態のマイニング産業に大きな影響を与えている。破綻を免れ経営を続けているマイニング企業の多くは、「DeFi」から資金の融資を受けていた。しかしそうした「DeFi」が「FTX」の破綻のあおりで経営状態が悪化したり、また破綻したので、マイニング企業への融資を引き上げているのだ。この結果、多くのマイニング企業が破綻の縁に立たされている。最近、ビットコインのハッシュレートが減少しているが、マイニング企業の破綻が背景にある。

このように、「FTX」の破綻というブラックスワンは暗号通貨に関連するあらゆる方面に大きな影響を及ぼしており、いまも続いている。もしこの破綻がなければ、ビットコインは半減期の16カ月前の上昇という規定のパターンを踏襲し、今頃は上昇していたことだろう。

2023年も「FTX」の破綻の影響は当分続きそうなので、ビットコインを中心とした暗号通貨の相場の低迷もしばらくは続きそうだ。

Next: 明るい兆しも?暗号資産にお墨付きを与えるブラジルの状況

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