国がようやく「アベノマスク」を調達した業者ごとの単価・枚数を開示。業者や契約時期によって単価に2倍超えの差があることが判明しています。注目されるのは、福島県で掘っ立て小屋を本社とする「ユースビオ」が約31.8億円も受注していたことです。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2023年4月9日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
「アベノマスク」の単価と枚数をようやく開示
安倍政権が新型コロナウイルス対策でいきなり無理やり配布した「アベノマスク」を巡り、関連文書の開示を求めていた神戸学院大の上脇博之教授や国会に対して、国はいまごろになってイヤイヤながら、調達した業者ごとの単価や枚数を開示しました。
内容は業者や契約時期などにより、単価に2倍超の差があったことが明かになっています。
契約先は多岐にわたるが総じて高単価
「アベノマスク」と呼ばれる布マスクは、配布当初からはさまざまな憶測が飛び交っていました。
業者17社と計32件の随意契約を結び、3億枚超のマスクを約442億円で調達。今回開示されたのは、32件の契約ごとの単価と枚数となっています。
マスクの大きさ・形状・素材は、配布段階からいろいろな情報と憶測が出回りましたが、結果的には業者によって違っていたようです。そして単価(税抜き)は62.6~150円、枚数は600~4,514万枚であったことが判明しました。
最多の約1億1,000万枚を調達した総合商社は、5件の契約すべての単価が130円となっているなど、何か作為的なものを彷彿とさせます。
さらに2番目に多い約7,200万枚を調達した別の総合商社も単価は126.8円にまで上昇しており、厚労省の担当者が語ったところでは、どうやら業者の言い値で決めていた気配が濃厚の状況です。
問題は福島で掘っ立て小屋を本社とする「ユースビオ」の受注
安倍政権はクローニーキャピタリズム(縁故資本主義)の典型ですから、大手商社が重用されて利益を持っていかれたのはさもありなんという状況です。
そして発注リストの中でもひときわ目を引くのが、福島県にある「ユースビオ」の存在です。
ユースビオは福島市にある会社で、マスクの配布当初から、プレハブの勉強部屋のような本社がどうして受注できたのか、相当な疑惑となっていました。
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