高いPERを正当化できる?
ここまでのLIXILのリスクと期待について解説しました。ここで現状をまとめます。
これを踏まえて投資判断を行います。
3月14日終値時点のPERは50.1倍です。確かに、LIXILはリフォーム需要の増加の波を捉え、政府補助金の効果も重なり、来期以降業績を伸ばす可能性はあると思います。
しかし、現状は高い配当利回りが株価を下支えしている可能性も否定できません。
したがって、減配は大きなリスクとして認識するべきでしょう。
つまり、減配の発表と同時に、株価が下落するダブルパンチを喰らう可能性がある企業です。
あくまで私の意見では、いくら補助金効果があるからと言ってもPER50倍を正当化する理由にはならないと考えます。かなり無理をしている配当性向であることが気になります。
ロジカルに考えれば補助金は継続しそうですが、本当に継続するかは分かりません。
補助金打ち切りとともにさらに業績が悪化する可能性も考えられます。
またリフォーム需要が伸びたとしても、新築向けが右肩下がりである以上、大きな成長は見込めないかもしれません。よくてわずかな成長、あるいはトントンくらいのイメージを持ちます。この成長の確度でPER51倍は到底受け入れることはできないと思います。
補助金等リフォーム関連の追い風と減配や補助金打ち切りのリスクを総合的に考えると、投資判断は慎重に行うべきだと思います。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取り扱いには十分留意してください。
『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2024年3月15日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。