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株価20%下落「日清食品」は買いの好機か?国内市場縮小の兆しを長期投資家はどう判断すべきか=佐々木悠

日清の主力市場はやや弱い?

まず、日清にとって重要な市場である日本の動向です。即席めんの市場は横ばいです。しかし、人口減少の影響から、中長期的に需要は縮小していく見込みです。

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出典:世界ラーメン協会より作成

世界における日本の市場の大きさはどうでしょうか?

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出典:世界ラーメン協会より作成

アジア市場は大きいのですが、日本の市場は決して大きいわけではありません。日清の成長を支えている米国市場は日本に次ぐ世界6番目の市場です。世界的に見れば、日清が得意な市場の規模は決して大きくはありません。

では競合他社の状況はどうでしょうか?2022年の世界市場シェアをみてみましょう。

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出典:ディーゼルラボ

世界シェアトップはインドネシアの企業であるインドフード、2位は中国の康師傅(カンシーフー)、そして世界3位に日清食品です。
日系企業では、5位に東洋水産、7位にサンヨー食品がつけています。

日系3社の海外状況をみると、日清は米国・中国を中心にメキシコ、ブラジル、インド、タイ、ベトナム、ハンガリーなどに製造拠点を持っています。この多くの市場へ展開していることが特徴の一つです。
東洋水産の特徴は売上は日清に及ばないものの、米国・メキシコでトップシェアです。近年はブラジル、インドでも販売を強化しています。
サンヨー食品の特徴は、中国大手の康師傅に資本参加していることから中国の展開力はやや優位性があります。

現状をまとめます。

  • ・日清食品は米国などの海外事業を中心に利益成長している
  • ・しかし主力の日本・米国市場は世界的には大きくはなく、特に日本は中長期的に縮小する見込みである
  • ・世界最大市場のアジア圏には、強力な地元企業が存在している

これを踏まえて、日清食品が今後どのような戦略をとるのか解説します。

Next: 今後の成長戦略は?アジア地域の販売を強化へ

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