極端な円高にはなりにくい?押し目狙いで1ドル=154.50-156.50円
仮に雇用が悪化したら悪化したで、いよいよ景気減速なのだから利下げを織り込むことになるわけで、株高からの円安継続パターンもあり得るわけで。
逆に雇用が良いなら良いで、まだ景気は大丈夫ということで株高、このところ下がっていた米金利も上昇して、一段とドル高・円安が加速するパターンも考えられます。
いずれにせよ、楽観気味で上がり続けている株価がドル円・クロス円の下支え、円売りをサポートするわけで、極端な円高というのは想定しにくい状況にあります。
もちろん、平均時給があまりに強過ぎて株式市場が動揺して株価が暴落というパターンなら円高になり得るわけですが、可能性としては低いでしょう。
というわけで、強い弱いにせよ、トータルでかなりクリティカルな数字が出てこない限り、なかなか米国の継続的な利下げというのも見えてきませんから、そう簡単に円高トレンドになるというのは早計かなと思います。
実際にカナダ中銀やECB(欧州中央銀行)が利下げを行いましたが、継続性が見込めないということで、さほど円高にはなっていませんからね。むしろ、ユーロ円は歴史的な高値水準にいるほどです。

ドル円・日足チャート
したがって、基本的には軽く買いつつ押し目を狙っていくスタイルで問題ないように思います。
上値に関しては、156.30-156.50円レベルがレジスタンスゾーン(抵抗帯)となっており、ここを抜け切れるかどうかがポイントとなります。
逆に下値に関しては、50日移動平均線が155.00円のちょうど大台節目まで競り上がっており、ここの攻防がポイントとなります。
155円の大台を割り込んで、直近の安値となった154.50円を割り込んでいくようだと、5月中旬の安値となった153円台半ばぐらいまでは下値が広がりやすくなります。
具体的なトレード戦略としては、発表前に155円台半ばぐらいにいるのであれば、軽くロング(買い)して発表を待ちたいところでしょう。
非農業部門雇用者数が10万人台を割り込むとか、極端な数字が出ない限り、株安にもなりづらく、下値は限定的と考えています。
155.00円前後からは厚めに押し目を拾いつつ、154.50円割れで一旦損切りでしょうか。その後は株価や金利次第ですが、まずは下値を確認したいところ。
逆に利食い目標は156円台で、156円台半ばをあっさり抜けていくような強さがなければ来週の日銀会合待ちで1ドル=154.50-156.50円レベルのレンジが継続しそうなので、そのつもりで。
いよいよトレンド転換といった声も増えてはいますが、株価が上がっている限りは決定打が足りないといったところでしょう。
むしろ、日銀会合を通過すれば円売り加速の可能性も十分です。スワップも踏まえると、まだ押し目買いスタンスで良さそうです。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2024年6月7日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による





