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なぜ今「FX投資」に脚光?ドル円の歴史的変動を味方に付ける投資術〜ゼロから始めるFX(1)=安恒理

2022年10月、米ドル/円レートは150円台に乗せて32年ぶりの円安水準を記録しました。そして2023年2月20日現在は134円台と、ここ数ヶ月で大きくドル円相場が動いています。そこで改めて注目されているのが「FX投資」です。どうやって利益を出せばいいのか、そもそもなぜ為替相場は変動するのか?知っているようで知らないFXのイロハについて解説する連載の第1回目となります。(『 安恒理の「ここでしか書かない話」~メディアの裏を読む~ 安恒理の「ここでしか書かない話」~メディアの裏を読む~ 』安恒理)

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プロフィール:安恒 理(やすつね おさむ)
福岡県生まれ。男性向け総合雑誌の編集を勤めた後、ライターとして独立。15年にわたる編集、記者として数多くのビジネスマン、経営者を取材した経験をもとに、ビジネス、金融・投資、趣味のサブカル系を中心に執筆を続ける。平成18年「現代ビジネス兵法研究会」設立に参画、「ビジネスの成功法則」の研究を続ける。主な著書に『孫子の兵法のことがマンガで3時間でマスターできる本』(明日香出版)『論語のことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版)『なるほど!孫子の兵法がイチからわかる本』(すばる舎)『フェイスブック・ツイッター時代に使いたくなる「孫子の兵法」』(文芸社)『いちばんカンタン! 株の超入門書』(高橋書店)など。

なぜ、いま「FX」なのか?

いま注目を集めているFXですが、(「FXとは?」の説明は後述するとして、)なぜ注目されているのでしょうか。

FXは、為替の動向に大きく左右されます。

ウクライナ問題の先行き、それに伴う世界経済の不透明さ、インフレ懸念、日銀総裁の交代、利上げ問題……これらによって為替が大きく動いているため、今まさにFXにチャレンジするチャンスといえるのです。

「FX」とはどんな投資法か

株式投資と並んでポピュラーになった投資にFXがあります。

FXとは外国為替証拠金取引(Foreign Exchange)のことで、異なる通貨の交換によって出る差益を狙う投資です。イチバン身近な例として米ドル(以下ドル)と日本円(以下円)の取引を例に挙げます。

たとえばハワイ旅行に行こうとしたとき、現地通貨のドルが必要になります。旅行者は銀行や両替所などで円をドルに交換します。これを外国為替といいます。

これが、どうやって投資になるのでしょうか?

円とドルの交換比率は刻一刻と変化します。毎日テレビや新聞で流れる経済ニュースでそのときどきのドル―円相場の状況が伝えられます。1ドル=125円10銭といったように伝えられます。
このドルの価格は上がったり下がったりを繰り返しますが、その売り買いのなかで、差益を得る目的でFXは始められます。

もし1ドル=130円でドルを買って(円売り・ドル買い)、1ドル=135円になってドルを売却した(売り決済)としたら、1ドルあたり5円の利益が生み出されるわけです。

ただ注意しなければならないのは、FX投資を行なって必ずしも利益が生まれるとは限らない点です。もし1ドル=130円で購入したドルが、125円に値下がりし、その時点でドルを売却したらそこで1ドルあたり5円の損失を被ることになります。

だからFX投資は、売り買いのタイミングをうまく見極めなければなりません。

安いところで通貨を買って、高くなったところで通貨を売る――これがFXで利益を上げるやり方です。

米ドル/円 週足(SBI証券提供)

米ドル/円 週足(SBI証券提供)

FXと外貨預金の違いとは~少額資金で大きな運用ができる

FXと似た経済取引に外貨預金があります。大きな違いは、資金50万円があったとして、外貨預金なら50万円分しか外貨を銀行口座に預けられません。

ところが、FXなら50万円の何倍もの資金を動かすことが可能なのです(50万円なら最大1,250万円分)。50万円を証拠金として預け、その何倍もの取引を行なえるのがFXの特徴です。

証拠金の何倍もの金額で取引できる仕組みをレバレッジといいます。レバレッジは英語で「てこ」を意味し、レバレッジは最大25倍までかけることができます。

このレバレッジのあるなしが、FXと外貨預金の大きな違いになります。

持っていない通貨を売ることができる

FXのもう1つの特徴は、持っていない通貨を先に「売る」こともでき点にあります。

手持ちには円資産しかなかったとします。しかし、この先ドルが値下がりし円が対ドルに対して値上がりすると予想を立てたら、持っていないドルを「売り」、円を「買う」のです。思惑通りドルが円に対して値下がりしたらドルを「買って」決済します(買い決済)。

たとえば1ドル130円でドルを売ります(円買い)。そして思惑通りドルが値下がりして(ドル安)125円になったところでドルを買えば(買い決済)、5円の差益が出ることになります。

およそ20カ国の通貨が取引の対象となる

「買う」通貨と「売る」通貨の組み合わせをとくに「通貨ペア」といいますが、これは「ドル・円」のほか多数あります。しかも「円」がからむことなく、「ドル・ユーロ」といったような組み合わせもあります。

FXは専門の仲介業者を介して取引を行ないますが、仲介業者によって取り扱う通貨の種類は異なってきます。世界にはおよそ200の国家が存在します。その国すべての通貨が取引できるわけではありません。主要国20ほどの通貨が取引の対象となります。どの通貨、どの通貨ペアが取引できるのか、それぞれの取引業者のホームページで確認しておきましょう。

それぞれ異なる通貨の「性質」

通貨にも、それぞれいろんな性質があります。

ドルやユーロ、日本円など先進国の通貨は、発展途上国の通貨と比較して、安定的な動きを示しがちです。

また発展途上国のなかには、「資源国通貨」と呼ばれる通貨があります。鉱物資源や農産物が経済を支えているような国の通貨です。鉱物資源や農産物の価格によって経済状況が左右されるため、為替は商品市況に大きく左右されます。

主な資源国通貨を紹介すると――

南アフリカ(ランド)……金、ダイアモンドなどの鉱物資源
オーストラリア(豪ドル)……鉄鉱石、石炭などの鉱物資源。小麦といった農産物
ニュージーランド(ニュージーランド)……酪農、畜産
カナダ(カナダドル)……石油、天然ガス、ウランなどの鉱物資源

意外なところでは、北海油田を抱えるイギリスのポンドも資源国通貨といえます。

平日なら24時間取引ができる

FXのいいところは、取引時間が24時間可能であるということです。

これが株式投資であれば、株式市場が開いている時間はかなり限られています。これは為替市場の特徴にあります。為替取引が行なわれているのは、世界中の銀行。ということは、たとえば日本が真夜中で、日本の銀行が閉まっているときでも地球の裏側の国の銀行は開いています。

FXの市場は、世界中の銀行をつなぐネットです。そのため平日であれば、1日24時間取引ができるのです。FX取引ができないのは、金曜の深夜から月曜日の朝まで。つまり日中仕事をしているビジネスパーソンでも、夜帰宅してからの取引も可能。

それどころか主要取引国のドイツ(フランクフルト市場)は日本時間の夕方5時、イギリス(ロンドン市場)は夕方6時、アメリカ(ニューヨーク市場)は夜11時と、ドルはユーロが大きく動くのは日本時間の夜ということになるのです(夏時間、冬時間では1時間ずれるケースが多い)。

ここで1点注意しておきたいのは、日本が休日といっても海外では平日であるということ。日本が休日で銀行が休んでいるからと安心している間に、海外の取引場で大きな為替変動があるかしれません。

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2023年1月配信分
  • 民意が正しいとは限らない(1/27)
  • 宇宙の時間、人間の時間(1/20)
  • ◎少子化問題~その2(1/13)
  • ●少子化対策は「金」だけの問題ではない?(1/6)
  • 夢を追う者ども(1/2)

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image by:metamorworks / Shutterstock.com

本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2023年2月20日)※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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雑誌編集者、ライターとしてマスコミの世界に在籍した筆者が日々感じていること、筆者自身でしか知りえないあらゆる世界の裏側などんいついて書き連ねていきます。

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