そして円安は日本の企業には収益拡大要因となり、財界は歓迎します。政府日銀はその副作用である輸入コスト増について、企業に価格転嫁を促し、最終消費者に付け回しをし、企業の負担を軽減し、物価高で売り上げや名目GDPが増えて政府の税収が増えます。昨年度の税収はおかげで70兆円を超えました。
つまり、デフレの完全脱却と称して日銀に大規模緩和を続けさせることで、岸田政権のパトロンであるバイデン政権に「貢物」を献上し、財務省の利益に供し、財界の収益改善に貢献できます。
その被害にあうのは家計だけですが、そこは「賃金物価の好循環」と言ってごまかし、電気代の引き下げなどで不満解消を図りますが、それで国民が納得するわけではありません。
岸田総理退陣の意味
このように、個人を犠牲にして米国バイデン政権、日本の財界、金融市場という政府のパトロンに貢いできた岸田総理が退陣表明しました。
1つには米国でCFR(外交問題評議会)がバイデン大統領に見切りをつけたように、日本の岸田総理にも見切りをつけた模様です。また仮にトランプ政権となれば岸田政権は維持できません。ポスト岸田政権は米国と新たな関係を模索する中で、貢ぐだけでなく日本の主張を示すチャンスになります。
また岸田総理は退陣表明の会見で、自民党の裏金問題にトップとして責任を取るといいました。政治資金規正法の改正などは不十分で、裏金問題に決着をつけられないままの退陣となりますが、少なくともこれまでのような政府と財界の癒着、カネのつながりは細ることになります。届け出る必要のないパーティ券の金額が引き下げられたことは、パーティ収入の顕著な減少につながり、財界とのパイプも細ります。
新政権は個人と市場傾斜
財界との金のパイプが細る分、与党は市場を重視することになりそうです。
裏金問題が露呈したとはいえ、政治に金がかかる事実、政治は金次第という事情に変わりはありません。資金調達で財界ルートが細り、派閥のトップからの資金配分もなくなれば、あとは市場から「仕手株」などの収入を得るか、金融機関からの借り入れに頼らざるを得なくなります。
政府は世論を味方につけるために「金融悪者論」を通してきましたが、その裏で金融機関とはこっそりつながり、資金調達の重要なルートにしてきました。派閥、財界ルートが期待できなくなれば、おのずと市場ルートの資金に頼らざるを得なくなります。






