反対陣営の勝利を受け入れない人々
しかし、トランプがスムーズに大統領に就任し、国内の混乱が回避されたのかと言えば、かならずしもそうではない。なぜなら、反対陣営が勝った場合、それを絶対に受け入れないとする人々も多いことも事実だからだ。
選挙後に大きな混乱があるとすれば、それはそのような人々が主導する可能性もが高い。「シカゴ大学」の世論調査機関が行った結果では、両党とも自党の候補者が大統領選に勝利すると予想している人々は、共和党で87%、民主党では90%もいる。
そして、共和党の38%、民主党の28%の少数派は、選挙が接戦になることすら予想しておらず、自分の陣営が圧勝すると信じている。もし結果が予想と違えば、彼らは激しい抗議運動を展開する可能性はある。
共和党員の80%が、「民主党は無許可の移民を入国させ、彼らに投票権を与えることで選挙に勝とうとしている」という、トランプとその同盟者の主張を支持している。特に共和党員の間では、有権者や選挙における不正の蔓延について、共和党員は強く信じている。
また、ハリスとトランプの両陣営で、自分たちが圧勝すると信じる専門家も実は多い。ノースウェスタン大学のデータサイエンティスト、トーマス・ミラーは、独自の予測モデルを使い、ハリス圧勝の可能性もあるとしている。
一方、これはトランプ陣営も同じだ。世論調査の第一人者、ネイト・シルバーによると、ドナルド・トランプが主要7州で勝利し、地滑り的勝利を収める可能性は十分にあるとしている。世論調査の第一人者、ネイト・シルバーによると、ドナルド・トランプが主要7州で勝利し、地滑り的勝利を収める可能性はあるとしていた。実際にそうなったのだが。
激しい暴力の応酬を予想させる数値
さてこのように、トランプにしろハリスにしろ、両陣営には、自分たちの候補は圧勝すると信じて疑わない人々が一定数いる。彼らは自分の陣営が負けた場合、これを認めず、選挙結果を覆す行動に出る可能性がある。
「シカゴ大学」の「CPOST」という研究所は、「政治的暴力の支持を理解する、アメリカにおける暴力」という調査レポートを出した。これは今年の9月12日から14日にかけて行われた世論調査の結果に基づき、自分が支持する候補が敗北した場合、暴力的に選挙結果を覆すための行動をどのくらいのアメリカ国民が支持しているのか調査したレポートだ。
このレポートによると、米国民の6%がトランプが敗北すると暴力による選挙結果の変更を支持するとし、また反対に、8%の国民がトランプが勝利して大統領に就任するようであれば、暴力で阻止するのを支持するとしている。
6%の国民は1,500万人である。また、8%の国民は1,800万人だ。3,300万人が、政治的暴力を容認しているのだ。
アメリカには、3億丁の銃があり、米軍で訓練された軍務経験者が300万人いる。自分の推す候補が敗北したり、トランプが就任することにでもなれば、暴力的な抵抗が拡大する可能性も十分にある。







