韓国企業には、女性の結婚や出産を歓迎しないムードがある。30年前の日本と同じ雰囲気だ。これが、女性の非婚化を促す力になっている。一方で、下記の通り女性の高等教育進学率が、男性を上回っている。これでは、女性の非婚・非出産の比率が高まり、自らのキャリアを優先させて当然という姿が想像できるであろう。
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男性:62.32% 5.24%
女性:67.28% 7.07%
(2020年 OECD調べ)
こういう状況をみながら、韓国株投資を推奨した投資家がいた。ジム・ロジャーズ氏だ。「日本株売り・韓国株買い」を大々的に吹聴して歩いたのだ。ロジャーズ氏は、ウォーレン・バフェット氏が日本商社株へ大量投資して大きな投資戦果をあげたのと対照的な結果になった。ロジャーズ氏の予測を裏切って、韓国経済が終末論を囁かれる事態を迎えているのである。
左右両派の飽くなき対立
尹前大統領支持者の間では、韓国で不正選挙が行われたという「陰謀論」が、フェイクニュースとして流れている。これは、韓国社会が深い「不信の溝」に落ち込んでいる証拠とみなされている。右派(保守)と左派(進歩)に分かれて、断絶状態にあるからだ。互いに自らの「陣営」だけに閉じ籠もり、都合の良い情報だけを信じるという末期的状態に陥っている。
対立相手を「悪魔化」して批判するのは右派だけではない。左派にも同じような動きがみられる。宇宙人の模様を描いたマントを羽織って、尹氏の罷免要求集会に参加する若い女性たちが集団をなしていたと報じられた。これによると、「尹氏の支持者は宇宙人のようなものだ」という意味が込められているのだ。尹氏の弾劾要求集会で、宇宙人の模様を描いたマントを身につけた300人ほどの異様な集団がいた。一人残らず女性で、多くが若かったという。
右派も左派も、相手支持者を毛嫌いしている。こうして、結婚も反対派の人間を選ばないという徹底した状況だ。右派は、左派に対して「不正選挙」を唱え、左派は右派に「宇宙人」というレッテル貼っている。双方の意思交流は、「断絶状況」になっている。
ここで強調すべきは、互いに「陣営の論理」で動いていることだ。これが、自らは絶対に正しいという「盲信」を生み出している。その最適な例が、左派(「共に民主党」)による司法権を侵害する動きとなって現れている。
司法権の不可侵性という理念は、韓国には存在しない。司法は、自己陣営へ有利となるように、利用する手段という位置づけである。民主主義の理念からはほど遠い状況にある。反日運動では、過去の判決を無視する動きが平然と主張されている。韓国には、司法権を尊重しないという風土があるのだ。
左派が司法権侵害を主張
野党候補者の李在明氏の選挙違反事件で、最高裁が高裁への差戻し判決を下した。これに対して、共に民主党と左派メディアが絶対反対論を繰り広げた。『ハンギョレ新聞』は、裁判所の「選挙への不当介入」という理屈によって、判決時期を大幅に繰り下げよと主張しているのだ。理由は、李氏が大統領に当選した後の判決であれば、大統領職務に影響しないというものである。
今回の公職選挙法違反を巡る裁判は、2022年9月に検察が起訴してからすでに2年7カ月も経過している。起訴から6ヶ月以内に一審判決、前審の判決言い渡し後から3ヶ月以内に二審・最終審の判決をすると規程が定めている。これに従っていたならば、すでに結論が出ていたはずだ。
つまり、23年中に結審されている裁判が、現在まで延びてきたのは、李氏側の法廷戦術による引き延しであった。韓国の政治事情が、これほど分かる裁判もないであろう。