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【QAあり】ブシロード、TCGが牽引、バンドリ!好評で再上方修正 通期売上高535億円、営業利益41.5億円へ

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2025年5月15日に発表された、株式会社ブシロード2025年6月期第3四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

本発表でお伝えしたいこと

木谷高明氏:ブシロード代表取締役社長の木谷です。よろしくお願いします。今回の動画でお伝えしたいことは、スライドに記載の4点です。最初に、米国経済の影響と弊社の対応についてお話しします。

経営メッセージ ~米国経済の影響と対応~

まず、売上についてです。弊社の米国への既存TCG売上は年間で約30億円ですが、米国の関税の影響により、約10パーセントにあたる約3億円の減少を見込んでいます。利益については、英語版TCGの粗利率が平均で約40パーセントであるため、1億2,000万円の利益の減少を見込んでいます。

今後の対応としては、スライドに記載の5点を行っていきます。米国の関税、為替変動、市況変化に対する今後の対応についてご説明します。

1番目は、海外展開です。重点地域をしっかりと見極めた上で取り組んでいきます。まずは、日本国内にあらためて注力し、その後、東アジア・東南アジア・オセアニアといった、比較的日本に近い地域のシェアの維持・拡大を目指します。

欧米に関しては、経済や市場動向、その他を注視しながら、展開拡大のタイミングを見定めつつ、現在行っていることを手なりで継続していきます。

インド・中東地域などこれからの地域に関しては、常にリサーチをしつつ、展開・参入・拡大のタイミングを見定めたいと考えています。

2番目は、一部で言われている景気後退への備えです。現在、グループ全体の経費削減と原価低減の余地について、各事業で精査が始まっています。

3番目は、財務体質の強化です。4月の初頭までに、ブシロード本体で所有していた外貨預金の約2,300万USドルを日本円に両替し、為替変動のリスクを低減することを完了しました。その資金は、今後、金利上昇が見込まれる日本円の借入返済に充てていく予定です。

4番目は、IP開発です。このような不確実性の時代には、自由度の高い自社IPを持っていることが重要だと考えています。既存の自社IP、新規の自社IPなどがありますが、自由度の高い自社IPの開発を加速させていきます。

5番目は、TCG基盤の強化です。グループ全体の売上の半分弱を占めるTCGユニットに関しては、すでにかなり進んでいる開発力の強化や製造の安定化、新規TCGの開発、既存のTCGのさらなるシェアアップのほか、グローバルにTCGで遊んでいただくための「ブシナビ」によるインフラの整備をさらに推進していきます。

要約損益計算書(連結)

第3四半期の業績についてご説明します。売上高は前年同期比プラス29億2,100万円の136億4,000万円、営業利益は前年同期比プラス14億8,700万円の11億5,200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比プラス4億9,000万円の4億5,100万円となりました。

TCGユニットが売上・利益を牽引し、ライブエンタメユニットやMDユニットも事業計画に対して順調に推移しました。なお、為替相場の変動による為替差損は、3億3,400万円を計上しました。

第3四半期に関しては、TCGユニットが計画以上の売上・利益となりました。ライブエンタメユニットやMDユニットの利益はマイナス予想としていたのですが、既存商品の売れ行きやライブ集客なども良く、事業計画を上回ってプラスの着地となりました。

四半期 連結業績推移ー販売管理費

販管費は、TVアニメ『BanG Dream! Ave Mujica』の放送に合わせて大型ビジョン広告などを掲出したものの、年間を通じてTVCMの出稿を減らしてきたことにより、計画よりもコストが減少しました。

2025年6月期 連結業績予想 エンターテイメント事業が順調で 今期2度目の上方修正

当期の業績予想についてお話しします。第3四半期にエンターテイメント事業が順調であったことに加え、4月に開催された『MyGO!!!!!×Ave Mujica 合同ライブ 「わかれ道の、その先へ」』が、『バンドリ!』史上最大の動員を記録したことなどを受け、弊社は業績予想を上方修正することにしました。今期2度目の上方修正となります。

修正後の業績予想は、売上高が535億円、営業利益が41億5,000万円、経常利益が41億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益が24億9,000万円です。

ここからは各事業の詳細等について、Q&A形式でお話ししていきます。

質疑応答:TCGユニットの第3四半期の実績と今後の見通しについて

「TCGユニットの第3四半期の実績と今後の見通しについて教えてください」というご質問です。

まず第3四半期は、新規に『ラブライブ!シリーズ オフィシャルカードゲーム』、いわゆる『ラブカ』の発売を開始しました。当初の期待をやや上回る順調なスタートを切っています。このカードゲームの特徴は、『ラブライブ!シリーズ』のライブイベントとのメディアミックスにかなり重点を置いて展開している点にあります。

今後も、『ラブライブ!シリーズ』で開催されるライブにしっかりとご一緒するかたちで、カードゲームをファンの方を中心に楽しんでいただきたいと思っています。

第4四半期は、4月から発売を開始している『ヴァイスシュヴァルツ』『ヴァイスシュヴァルツブラウ』に加えて、『ヴァイスシュヴァルツロゼ』を展開しています。

『ロゼ』は、PCゲームを中心とした熱いファンの方に遊んでいただけるように、『ヴァイスシュヴァルツ』と同じルールになっています。『ヴァイスシュヴァルツ』と対戦することも可能ですが、1つのブランドとして『ロゼ』を立ち上げました。初回から大きな反響と受注をいただくことができ、順調にスタートしています。

来期には『ゴジラ カードゲーム』が日英同時発売されます。こちらは、東宝株式会社が企画・開発されたものを弊社が販売するかたちです。講習会なども含めて全世界で展開しますが、前評判も高く、『ゴジラ』の原作を再現しているというお声もいただいています。リリースは来期ですが、今期末に一部出荷があり売上が立ちます。来期を非常に楽しみにしています。

また、『hololive OFFICIAL CARD GAME』の英語版も、『ゴジラ』と同時期に全世界で講習会を行い、7月に発売となります。こちらも一部今期に計上されます。

先ほどもお伝えしましたが、現在米国での展開は非常に難しいと感じていますので、環境、状況を着実に見定めながら展開していきたいと思います。また、今伸びている東アジアに関しては、より一層力を入れていきます。TCG事業は、引き続き順調に推移すると考えています。

質疑応答:第3四半期のコンテンツユニットと今後の見通しについて

「第3四半期のコンテンツユニットと今後の見通しに関して教えてください」というご質問です。

第3四半期には、『カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ2』がリリースされ、現在も引き続き販売は順調です。『カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ』から2年以上経ちますが、『カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ』も『カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ2』が出るまでは順調に売れていたこともあり、『カードファイト!! ヴァンガード』というカードゲーム自体をより多くの人に知ってもらうためには、有効なリリースになったのではないかと思っています。

また『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』が周年ということもあり、比較的好調に推移しました。

また、来期になりますが、7月に『HUNTER×HUNTER』の『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』というコンソールゲーム、格闘ゲームがリリースされます。こちらが今年10月10日から12日の3日間、フランスのニースで開催される世界最大級の格闘ゲーム大会「EVO France 2025」のメイン種目に採用されました。

このゲームは非常に期待できます。この大会のために練習しようというユーザーは世界中に出てくると思いますし、大会に採用されたことによって、他の中小の格闘ゲームの大会でも採用したいというお問い合わせが続々と来るのではないかと考えています。

今ご説明したのは格闘ゲームファンに広がる方法ですが、作品ファンにも広がるように今後はリリースに向けてプロモーションを強化していきます。

質疑応答:第3四半期のライブエンタメユニットと今後の見通しについて

「第3四半期のライブエンタメユニットと今後の見通しについて教えてください」というご質問です。

第3四半期は、ライブエンタメユニットは、大型ライブの端境期になりました。現在『バンドリ!』は実演バンドが7バンドまで増えてきているため、ほぼ毎月のようにライブがあります。毎月2つ、3つライブがあることもありますが、たまたま第3四半期が端境期になりました。

第4四半期はMyGO!!!!!とAve Mujicaの合同ライブで、『バンドリ!』史上最大となる2日間で約3万8,000人を動員しました。周辺の物販や展示も含めて、大勢のお客さまに楽しんでいただけるライブとなり、物販売上も非常に伸びました。

今後も実演7バンドを中心に、ライブ回数はさらに増えていくのではないかと思っています。また、中国でも、1万人規模のかなり大規模なライブが開催されるようになっています。全国ツアーやアジアツアーなども含めて、さまざまな展開があるのではないかと考えています。

5月26日に日本武道館にて『Poppin’Party』が10周年ライブを開催します。もともとは、『Poppin’Party』という1つのバンドから『バンドリ!』プロジェクトが始まり、実演バンドは7バンドにまで広がりました。ライブエンタメユニットを支えるコンテンツであり、なおかつリアルバンド形態ということで、今後とも力を入れていきます。

質疑応答:第3四半期のMDユニットと今後の見通しについて

「第3四半期のMDユニットと今後の見通しに関して教えてください」というご質問です。

第3四半期は、中国への一般MDの輸出がやや落ち着きました。ただし、第4四半期は輸出等が伸びているのもありますが、それ以上にライブがかなり多く、ライブグッズを多数販売する見込みで、売上はまた好調を取り戻していくと考えています。

また、『PalVerse』は全世界的に知名度がアップしているため、卸先も増えています。ますますブランド化していますので、今後とも売上が伸びると予想され、楽しみにしています。

質疑応答:第3四半期のスポーツユニットと今後の見通しについて

「第3四半期のスポーツユニットと今後の見通しに関して教えてください」というご質問です。

1月4日、1月5日に、新日本プロレスは東京ドーム大会を2連戦行いました。2日合わせて約4万人の動員がありました。当初は、2日で5万人程度動員したいと考えていたため、もちろん黒字は黒字ですが、こちらの思惑を少し外したかたちになっています。

新日本プロレスは現在、世代交代が行われています。若手が活躍しつつあると同時に、ベテランも非常に活性化しているため、この春夏ぐらいにはとても良い状態が作られてきているのではないかと思っています。

また、棚橋弘至社長が来年の1月4日で引退するということで引退ロードを行っていますが、この過程において、新しい力が次々と登場することを期待していますし、そうなるのではないかと思っています。

スターダムも、有力選手が引退したり退団したりする中で、勢いを落とすどころか、むしろ勢いが増しています。新日本プロレス、スターダムは過渡期ですが、ここから今年後半はかなり期待できるのではないかと考えています。

木谷氏からのご挨拶

以上が、2025年6月期第3四半期決算発表のご説明となります。ブシロードグループの各事業は、今が開花期を迎えているものが非常に多くなっていると肌で感じています。これから花が咲くもの、今はつぼみであるもののこれから花が咲く段階に移行するものなどいろいろありますが、努力していきますので、みなさま、引き続き応援のほどよろしくお願いします。本日は、ありがとうございました。

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