「退職金で一気に資産を増やしたい」そんなご相談をよくいただきますが、実はその前に“必ず確認すべきこと”があります。退職金は、人生後半の重要な資金源。使い方を誤ると、取り返しがつかない事態になりかねません。この記事では、退職金を運用する前にチェックすべき2つのポイントと、ありがちな落とし穴について解説します。リスクを最小限に抑え、後悔しない老後資金の備え方を一緒に考えてみましょう。(『 教育貧困にならないために 教育貧困にならないために 』川畑明美)
よくある相談「退職金を大きく増やしたい」
「退職金を大きく増やしたいです」……このようなご相談を受けることも多いです。
しかし、退職金を運用する前に必ず調べて欲しいことが2つあります。
- 住宅ローンがどのくらい残っているのか?
- 退職後の生活費はどのくらいなのか?
安易に退職金で住宅ローンの繰り上げ返済をするのは避けたいのですが、老後の生活を圧迫してしまうのであれば、支障のない程度の繰り上げ返済は必要です。
また、もらえる年金と生活費の差額はどのくらいなのか?それをよく考えてからでないと、投資に回せるお金の計算ができません。
「そんな面倒なことしなくても、ドーンと増やせば、増えた分でなんとなかるんじゃないの?」と、言う方もいます。
逆にドーンと失敗して、ゼロ円になったら?
労働できる期間も少ない上に、年齢が上がるほど、収入も少なくなってしまうのですから、悲惨な老後になってしまいます。
元本を減らしてしまうかも
特に退職金以外に蓄えが少ない人ほど、退職金を大きく増やそうとして、失敗してしまうケースが多いのです。
いままで投資をまったくしていない人が、一括で投資をすると上手くいきません。
なぜなら「投資をしたら増える」という面に意識が向けられていて、「元本を減らしてしまうかもしれない」という面を考えていないからです。
1万円を投資して40%値が下がると、マイナス4,000円です。
100万円を投資して40%値が下がると、マイナス40万円です。
そして、1,000万円投資して40%値が下がると、マイナス400万円です。
景気が低迷して不況に至る間は、40%くらいのマイナスはよくある話。
マイナスになってしまった時に、大きな支出があったら?
増やすつもりで投資したとしても、貯金がなければ、マイナスになった資産を取り崩すことになってしまうのです。
貯金がまったく無くて退職金しかない場合は、まず、毎月の収支から貯金ができるようになることです。
『
教育貧困にならないために
教育貧困にならないために
』(2025年5月22日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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