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トランプの北朝鮮攻撃プランは「安倍政権崩壊」を前提としている(前編)=高島康司

攻撃のシナリオ

これらの目標に対して米軍は以下のような攻撃を実施できる。

<航空機による攻撃>

前掲した北朝鮮の核関連施設とミサイル発射機の壊滅には、おもに航空機を中心とした爆撃で対応できる。10機のB-2ステルス爆撃機、24機のF22攻撃機で十分なはずだ。

B-2は米本土の基地から、またF22は日本と韓国の米軍基地から出動する。出動準備は完全に極秘理に進められなければならない。

F22は、450キロのGBU-32 JDAM爆弾などを搭載し攻撃する。さらにB-2は13600キロのGBU-57爆弾を搭載可能だ。

攻撃目標を上記の施設に限定するのであれば、特に地上軍の出動がなくても航空機の攻撃だけで北朝鮮の核兵器と核開発能力は壊滅することが可能だ。

キム・ジョンウン斬首作戦

これが、ストラトフォーのレポートにある「作戦計画5015」と思われる内容の一部である。

しかし、昨年になって北朝鮮攻撃の目標を変更し、キム・ジョンウン体制そのものの崩壊を目標にしたキム・ジョンウン斬首作戦を実行すべきだという意見が、米軍と韓国軍で強まっているとの情報も多い。

これは、米海軍の特殊部隊、ネイビーシールズが2011年にアフガニスタンに潜伏しているオサマ・ビン・ラディンを殺害した際と同様の方法を用いてキム・ジョンウンを殺害し、本人の死亡を確認するという作戦だ。

そのとき、北朝鮮軍の報復能力を壊滅するため、朝鮮人民軍司令部へのピンポイント空爆も同時に実施するとしている。

中国は了解済みか?

「作戦計画5015」のような規模の大きい作戦になるにせよ、また斬首作戦のようなキム・ジョンウンの殺害を目的にしたものにせよ、北朝鮮攻撃が行われる場合、中国の了解はどうしても必要になる。

中国が北朝鮮を軍事的に支援すると、1950年から53年の朝鮮戦争の再発となり、とてもキム・ジョンウン体制の除去だけにはとどまりそうもないからだ。

ところが、中国もキム・ジョンウンには手を焼いており、米軍を主体とした北朝鮮攻撃を全面的に容認したとの情報も多い。

これは、2月に行われた3時間に及ぶトランプと習近平との電話首脳会談で話し合われ、その後、2月27日、28日の両日、楊潔チ国務委員が訪米し、北朝鮮攻撃の可能性について詳細が伝えられたとの見方だ。

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