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株価低迷「SaaS銘柄」今が買いか?長期投資のプロが注目する3社と投資リスク=栫井駿介

現在、日本の株式市場では、かつて熱狂を巻き起こしたSaaS(サース)関連株が、多くの投資家から見放されたような状態にあります 。しかし、プロの視点から見れば、この「無視されている状況」こそが、個人投資家にとって絶好のチャンスである可能性があります 。

今回は、コロナ禍後のバブル崩壊を経て、実力(業績)が株価を追い越し始めているSaaS銘柄の真実を、具体的な数値データと共に詳しく解説していきます。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

SaaS(Software as a Service)の基本とビジネスモデルの強み

まず「SaaS」とは、従来のようにソフトウェアを買い切るのではなく、インターネット経由でサービスを利用し、月額などで料金を支払う「サブスクリプション(定額制)」モデルを指します。

このモデルの最大の特徴は、収益の安定性です。毎月決まった収入が入るため、経営の見通しが立てやすく、一度契約を獲得すれば、その後の追加コストを抑えながら利益を積み増していくことができます 。また、BtoB(法人向け)SaaSの場合、一度社内システムとして導入されると、別のシステムに乗り換える(解約する)手間や不安が大きいため、非常に強固なビジネス基盤となります 。

現在の市場環境:大型株ブームの影で進む「見えない割安化」

コロナ禍においては、SaaS銘柄は将来への期待感からPER 40倍、50倍という極めて高いバリエーション(割高な水準)で取引されていました。しかし足元では、投資資金が大型株へ流れており、SaaS銘柄の株価は低迷を続けています。

ここで注目すべきは、業績は着実に伸びているのに、株価だけが下がっている(あるいは横ばい)」ということです。

注目銘柄その1:Sansan<4443>

名刺管理サービスの最大手として知られるSansanは、テレビCMなどでも馴染み深い企業です

さらに現在は、単なる名刺管理を超えて「企業のデータベース」としての地位を確立しようとしています。社内の誰がどの企業の担当者と繋がっているかを可視化することで、組織的な営業活動を支援するこのプラットフォームは、まさにサブスクリプション収入の柱となっています。

Sansan<4443> 週足(SBI証券提供)

Sansan<4443> 週足(SBI証券提供)

業績面を詳しく見ると、2025年5月期には営業利益28億円という過去最高益を見込んでおり、事業そのものは極めて好調に推移しています。特筆すべきはその強固な顧客基盤で、年間の解約率はわずか0.5%程度に抑えられています。

一度導入したシステムを手放すのは企業にとって大きなリスクを伴うため、この「解約しづらさ」が非常に手堅い収益を生んでいます。売上高予想も前年比23.5%増と、高い成長率を維持している点も見逃せません。

一方で、バリュエーションの検証には注意が必要です。

PBR(株価純資産倍率)は15.43倍と、一般的な基準から見れば非常に割高な水準にあります。

PER(株価収益率)は予想値が公表されていませんが、実績値や利益の伸びを考慮して概算すると、128という高い数字が導き出されます。同社は有名人を起用したイベントや広告に多額のコストを注ぎ込む傾向があるため、利益の安定感には欠ける側面もありますが、その分、投資を利益に変える爆発力も秘めています。

Next: SaaS銘柄の下落はチャンスか?まだある長期投資のプロが注目する企業

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