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ファーマフーズ、上期は成長投資を推進し下期黒字転換へ 利益重視経営で通期改善を見込む

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2026年3月23日に発表された、株式会社ファーマフーズ2026年7月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

2026年7月期第2四半期決算説明

原田清佑氏(以下、原田):みなさま、この度は大変お忙しい中、決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。それでは、株式会社ファーマフーズ2026年7月期中間期の決算説明会を始めます。

本日の出席者は、代表取締役の金武祚、専務取締役研究開発・営業部門担当の金英一、専務取締役グループ経営統括担当の益田和二行、取締役管理部門担当の東山寛尚、取締役創薬本部担当の縄野雅夫、取締役通販事業部担当の鳥尾公助、経営戦略部部長の原田清佑です。どうぞよろしくお願いします。

本日お伝えしたいこと

本日お伝えしたい点ですが、2026年7月期の中間期業績における損失計上は、計画的な上期の成長投資が要因となりました。下期での黒字転換については、収益性の改善から当初の想定よりも増益となる見通しが立ち、業績予想を修正しました。

特にお伝えしたいのは、「新価値創造1Kプロジェクト」の位置づけを見つめ直すという点です。この件について、代表取締役の金武祚と専務取締役の益田和二行よりメッセージがあります。

金武祚氏:みなさま、こんにちは。本日はご多忙の中、決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。社長の金武祚です。

業績については、すでにご報告のとおりです。本日の説明会では、今後のビジョンについて各部署の担当者から説明がありますが、ここで私からも概略をお伝えします。よろしくお願いします。

昨年来の活動を振り返ると、端的に申し上げて、売上重視から利益重視へと重点を移し、新技術と新商品で収益を生み出す企業を目指してきました。

そのために経営戦略部を新設し、数値計算を行いながらポートフォリオに基づいた経営を進めた結果、変化が見えてきています。本日は、その点についてみなさまにお話しできればと思います。

さて、「新価値創造1Kプロジェクト」は「新しいイノベーションを起こし、価値ある機能性の素材・商品を世の中に出すことによって売上・利益を上げる」ことを目指して取り組んできました。

ここで「1K」、すなわち売上高1,000億円を目標に掲げてきましたが、1,000億円という数値が先行し、私たちが本来目指すべき目的が希薄化してしまう雰囲気があると指摘されています。数値目標だけが独り歩きしていると言われても過言ではありません。私は、その評価が最近の株価にも反映しているのではないかと考えています。

現状を打破するため、これまでのやり方や仕組みを変える取り組みをここ1年間続けてきました。

これはBtoB・BtoCでも同じで、売れ筋の素材や商品を中心に利益を生むビジネスに注力することについて、社内で議論を重ねてきました。また、通販での売り方についても、最適化のための技術力を導入することに力を入れてきました。

その中で、食品・化粧品・創薬において新たな成果が見え始めています。例えば、食品分野では、GABAについて米国のGRAS承認が目前に迫っています。これにより、GABAを全米で一般食品として広く販売できるようになります。この取り組みには10年以上の歳月がかかりました。

創薬分野では、2つのアイテムがあります。1つは自己免疫疾患に対する抗体医薬品候補「MT-3534」です。もう1つはCADASIL(カダシル)という希少疾患の治療薬です。「MT-3534」はフェーズ1に、国立循環器病研究センター主導で「アドレノメデュリン」の探索的臨床試験が完了となり、ようやく新たなステージに入ってきました。

それだけではなく、繊維やアグリ、EV電池のスーパーキャパシタといった分野でも、私たちは技術力を活かして新しい市場の開拓に成功しました。

このような環境の中で、明治薬品では将来を見据え、新工場の建設に着手しています。投資額は120億円から130億円と聞いています。

「こんなことをして大丈夫か?」と社内でも議論しましたが、私たちの強みはチャレンジ精神があることです。私は「イノベーションのない会社に明日はない」という信念を今も持ち続けています。「新価値創造1Kプロジェクト」を必ずやり遂げていきます。

最後にM&A案件についてお話しします。今回は具体的な名前を挙げることは控えますが、着実に進行しています。現在4件が条件交渉中であり、慎重にクロージングを進めたいと考えています。

私としては「やっとここまで来た」というのが率直な心境です。この流れで、創業の精神、いわゆるバイオのもの作りにより、私たちは必ず大成すると自信を持っています。本日の内容をご覧いただき、ご意見・ご指導をよろしくお願いします。

益田和二行氏:取締役の益田です。よろしくお願いします。ただいま、金がお話ししたとおり、まずは「新価値創造1Kプロジェクト」で売上高1,000億円を目指すことに変わりはありません。今後も、役割分担をしっかりと明確にしていきたいと考えています。

今までは、既存の商品やビジネスをどれだけ拡大できるかにお金と時間をかけてきました。しかし、約2年間進めた結果、現在の商品のままではこれ以上売上を伸ばすのは難しいかもしれないという結論に至りました。

そこで、現在のビジネスについては売上を伸ばすことではなく、利益をしっかりと生み出す方向へ舵を切ることにしました。

その上で、余剰リソースを、先ほど金がお話しした新しいイノベーションや新規ビジネスに回し、さらなる成長が期待できる分野や飛躍的な成長が見込める分野への投資に振り向けていくことで、役割分担を明確にしていきたいと考えています。

これまで売上を伸ばすことに注力してきた分については、効率化を図ることで、今期においても引き続き利益に貢献できるのではないかと考えています。

この点については、自分の担当分野として、現状のビジネスにおいて利益をしっかり確保できる仕組みを作り上げ、この先も安定的に利益が出せる部門へと成長させていきたいと考えています。

また、その分を新しい分野に投資することで、短期・中期・長期でしっかりと利益を出し、将来に期待していただけるように構造改革を進めてきた2年だったのではないかと思っています。さらにご期待いただけるように下期も全力で取り組んでいきますので、よろしくお願いします。

目次

原田:本日は2部構成となります。まずは2026年7月期中間期の業績についてご説明します。

2026年7月期中間期・連結決算概要

中間期の連結決算概要です。売上高は324億4,100万円、前年同期比8.7パーセントの増収となりました。営業損失は23億6,100万円となりましたが、当初の計画どおり、中間期時点での損失は通期予算にあらかじめ織り込まれており、下期で黒字転換する見込みです。

通期の当期純利益は、後半でご説明しますが、前年同期比で307パーセントの増加が見込まれています。

資産・負債・資本、キャッシュ・フロー

中間期の財務状況です。資産合計は322億5,500万円となり、上期の計画的な成長投資に伴う手元現金の減少を主因として、前期末比3億9,300万円の減少となりました。

負債合計は224億8,400万円で、同じく上期の成長投資に充てる借入金が増加したことを主因として、前期末比で13億8,200万円増加しました。

自己資本は97億7,100万円、有利子負債残高は148億7,800万円となり、一時的にD/Eレシオが高まりましたが、下期の黒字転換により営業キャッシュ・フローが好転することで、通期の財務状況は改善する見通しです。

セグメント別売上高・営業利益、営業利益の増減要因分析

セグメント別の売上高と営業利益の増減要因をご説明します。売上高は、BtoC事業の伸びが主因となり、前年同期比で25億8,300万円の増加となりました。

営業利益が前年同期比で29億8,400万円の減益となった要因は、スライド右側に示した要因分析のとおり、主力製品「ニューモ」シリーズに続く収益の柱を育成する成長投資として、広告宣伝費が前年同期比で40億1,800万円増加したことが挙げられます。

一方で、売上総利益は前年同期比で20億1,000万円増加しており、当社の強みである高水準の粗利をしっかり確保しています。

BtoB事業売上高、売上増減要因

ここからは、セグメント別の売上高と増減要因をご説明します。BtoB事業の売上高は35億7,600万円で、前年同期比4.9パーセントの減収となりました。機能性素材は11億9,500万円で、前年同期比8.7パーセントの減収となりましたが、下期で持ち直す見通しです。

機能性製品とCHCでは、自社NB(ナショナルブランド)製品のほか、「育毛剤ニューモ」を中心に量販店やドラッグストアチェーン向けの通販主力製品の配荷が伸長し、前年同期比で機能性製品は54.7パーセント、CHCは23.7パーセントの増収となりました。

CMOは前年同期比21.3パーセントの減収となりました。これは、新たな収益柱として期待される「ラクトロン錠」や「てんらい清流錠」など、成長性や利益性の高い自社製品の生産稼働率を向上させるため、計画的に事業規模を調整したことが主な要因です。

自社開発した機能性素材の採用拡大と自社NB製品の販路開拓に注力

スライドに、BtoB事業における販売先をまとめています。自社開発の機能性素材は、大手飲料・食品メーカーやデイリー食品メーカーなどに販売しています。自社NB(ナショナルブランド)製品や一部の通販主力製品は、大手商社や卸売業者を通じて小売店へ販売しています。CHCでは、ドラッグストアチェーンを中心に販路開拓を進めています。

大手食品メーカーのロングセラーや大型飲料ブランドで機能性素材が採用

当社が開発した機能性素材の採用実績についてご説明します。独自のタマゴ研究から生み出された機能性ペプチド「ボーンペップ」は、ロート製薬社の成長期応援飲料「セノビック」に長らく継続採用され、累計販売2,000万個を突破しています。

また、ストレス低減など多様な機能性を持つ発酵アミノ酸GABAの素材販売は、世界トップシェアを誇ります。当社の素材が採用された江崎グリコ社のメンタルバランスチョコレート「GABA」は、流通全面配荷のロングセラーとなっています。

さらに、今春に発売される日本コカ・コーラ社の大型ブランド「綾鷹」シリーズの新製品において、新たにGABAが採用されました。

カテゴリートップとなった通販製品の流通販売が進展

一方で、機能性製品では従来のNB(ナショナルブランド)製品に加え、通信販売でカテゴリートップとなった主力製品を流通向けに販売する動きが加速しました。

「育毛剤ニューモ」については、コストコ専用ボトルの出荷が伸びています。LOFT店舗では、まつ毛美容液「WMOA(ウモア)」やクリームシャンプー「KURUB(クーラブ)」が注目を集めています。

海外でGABAの新規採用が拡大

海外では、ストレス軽減や睡眠改善のニーズ拡大を受けて、「PharmaGABA(ファーマギャバ)」の新規採用が増加しています。

北米最大級のサプリメントメーカーであるNatural Factors社のGABA高配合サプリメントは、ロングセラーとして定着しています。また、北米のサプリメント大手であるLife Extension社、NOW Health Group社、Youtheory社で「PharmaGABA(ファーマギャバ)」が新規採用されました。

東南アジアでは、タイ最大の清涼飲料水メーカーであるOsotspa社に採用され、タイ国内のセブン‐イレブンの店舗に配荷されています。

現在、海外営業では「PharmaGABA(ファーマギャバ)」の米国GRAS認証取得を最優先課題としています。FDAの審査に向けた準備は着実に進んでおり、近い将来、米国GRAS認証を取得した後は、北米の飲料・食品市場などにおける大きな需要拡大が期待されます。

BtoC事業売上高、売上増減要因

BtoC事業の売上高は287億3,000万円で、前年同期比10.7パーセントの増収となりました。医薬品・医薬部外品の売上高が前年同期比で35億7,400万円増加したことが主因です。

「ニューモ」シリーズは堅調に推移し、「ラクトロン錠」「てんらい清流錠」「てんらい黄望皇」など新たな収益柱の候補となる新製品の売上が計画的な成長投資により着実に伸長しました。

サプリメントは上期で減収でしたが、下期にはロングセラー製品の「タマゴサミン」を機能性表示食品としてリニューアル販売し、挽回を図ります。

ニューモシリーズを中心に収益性の高い顧客構造へシフト

これまで業績を議論する中で、定期顧客数や売上高など「量的成長」に焦点が当てられていましたが、この2年ほどかけて収益性を高める「質的成長」に取り組んできました。

その結果、主力製品「ニューモ」シリーズを中心にLTV(顧客生涯価値)が向上しています。定期顧客数は75万8,528件と前年同期比で4.8パーセント減少しましたが、売上高は287億3,000万円と前年同期比で10.7パーセント増加しました。

中間期末時点での定期顧客1人当たりの売上高は3万7,876円となり、前年同期比で16.3パーセント増加しています。

スライド右下のグラフに示しているとおり、その大部分は「ニューモ」シリーズの定期顧客からもたらされた収益です。このように、収益性の改善効果が数字として明確に表れたことは、大きな収穫でした。

カテゴリートップ製品と深い悩みに応じた医薬品の育成で収益性を高める

さらなる収益性の向上を目指し、新たな収益柱を育成する取り組みを進めています。「ニューモ」シリーズに続き、まつ毛美容液「WMOA(ウモア)」と薬用ジェル歯磨き「DRcula(ドクターキュラ)」がカテゴリートップとなり、すでに利益貢献を始めています。

「ラクトロン錠」や「ヘルスパンC錠」は、前年度から売上が伸長し続けており、定期引上や継続率の向上を通じて採算性をさらに高めていきます。

一方で、高い顧客単価が期待できる「てんらい清流錠」や「てんらい黄望皇」は、新規顧客の獲得が目下の課題となっています。

これらの製品は、医薬品ならではの提供価値として、耳鳴りや夜間尿といった深い未充足ニーズを満たすことが可能です。これにより、定期継続率の高い顧客を獲得し、収益性の向上につなげていきます。

体感性が高いロングセラー「タマゴサミン」の製品力が向上(機能性表示化)

当社がタマゴ研究から創出した独自素材「iHA(アイハ)」を配合し、高い体感性でロングセラーとなった「タマゴサミン」は、累計出荷数が838万袋を超えました。

今回、膝に違和感を持つ方への便益を明確に訴求できる機能性表示食品としてリニューアルし、製品力をさらに高めました。下期のサプリメント販売における成長材料として、さらなる売上の伸長が期待されます。

バイオメディカル事業:研究開発パイプラインの展望

バイオメディカル事業について、パイプラインの進捗を中心にご説明します。田辺ファーマ社に導出した自己免疫疾患に対する抗体医薬品「MT-3534」は、順調に臨床研究が進み、第1相a試験を完了しました。

東北大学よりライセンスインしたがん特異的抗体「CasMab」の1つは、すでにパートナリング活動を推進しています。脳循環改善薬については、2026年中のライセンスインを想定し、将来的な自社販売を目指しています。

アカデミアとの連携でがん領域における創薬プラットフォームを強化

がん領域における抗体医薬品の開発を強化するため、アカデミアとの連携を進めています。薬効の高いがん抗体を取得する東北大学の技術、製品化のプロセスを短期化できる東京大学のAI技術、そして当社の基盤技術「ALAgene technology(アラジンテクノロジー)」を融合させることで、有望な新薬を連続的に生み出す次世代創薬プラットフォームの実現を目指します。

指定難病「カダシル」に対する治療薬「アドレノメデュリン」の開発

今回新たに強調してお伝えしたいのは、指定難病であるカダシルに対する治療薬「アドレノメデュリン」の開発プロジェクトです。

カダシルは、大脳に病変が観察される遺伝性の難病で、年代に応じて片頭痛や脳梗塞、認知症などのリスクが高まることが知られていますが、これまで根本的な治療薬がなく、新薬が長らく待望されています。

当社は、国立循環器病研究センターと共同で「カダシル創薬研究部」の研究室を設立しました。カダシル研究と治療の第一人者であり、同センターの副院長である猪原匡史先生と、日本発・国産新薬の実現を目指し、共同研究を強力に推進しています。

治療薬「アドレノメデュリン」は探索的臨床試験を終えた段階にあり、2030年の承認申請を目指しています。承認申請に際しては、厚生労働省管轄の国立循環器病研究センターが主導し、早期に承認に取り組む予定です。

指定難病であるカダシルに対する治療薬「アドレノメデュリン」を、1日も早く医療の最前線に届けたいと考えています。

2026年7月期連結業績見通しの修正について

ここからは、業績予想の修正と「中期経営計画2026」における新規事業のトピックスについてご説明します。

今年度の連結業績の見通しは、上期の業績要因や下期でのさらなる収益性の向上を踏まえ、利益面で当初予想を超える見込みとなりました。売上高は670億円、営業利益は20億円、当期純利益は15億円、EPSは51.64円、配当性向は48.4パーセントとなる見通しです。

業績の振り返りと資本効率を意識した軌道修正

通期で増益を重視した背景として、これまでの業績と市場評価を客観的に振り返りました。過去5年間、売上の成長を主眼とした事業投資により、結果的にEPSの振れ幅が大きくなり、市場評価が安定せず、PBRが低下し続けていました。

このような状況の中、事業活動の本質である企業価値の向上に立ち返り、資本効率や株価を意識した経営への意識変革を体現するため、増益を重視したプロジェクト運営に舵を切りました。

ここからは、投資家のみなさまと目線を合わせ、新価値の創造に取り組んでいきます。具体的な経営指標については、次期中期経営計画の発表にあわせてお示ししたいと考えています。

事業成長ポートフォリオ

スライドに、成長性と収益性をともに高めるための事業成長ポートフォリオを示しています。現在、新たな中期経営計画の立案に向けて、マテリアリティの整理を進めています。

大局的な動きとしては、主要セグメントであるBtoC事業においては、ロイヤル顧客の拡大と投資効率のさらなる改善に取り組み、新たな収益柱の育成を通じて成長の伸びしろを模索する方針です。

BtoB事業は、国内シェアの拡大と米国GRAS認証の取得を通じて、海外販路のさらなる開拓を目指します。また、バイオメディカル事業、卵殻膜事業、アグリ事業については、将来の成長ドライバーとして中期視点での育成を進めていきます。

ここからは経営戦略部長としての私の責務として、今後は成長戦略の解像度を高めるとともに、資本収益性を向上させ、財務基盤を安定化させることにより、事業収益、事業利益、純利益が前年同期を着実に上回る状態を計画的に整えていきます。

その結果として、決算ごとに企業価値が向上し、株価が成長し、株主還元が次第に厚くなるといった好循環を中期的に生み出していきたいと考えています。株主のみなさまにおかれましては、引き続きのご支援をよろしくお願いします。

経産省NEDO「バイオものづくり革命推進事業」の取り組み

最後に、新規事業のトピックスについて、専務取締役の金英一よりご説明します。

金英一氏:みなさま、こんにちは。研究開発の責任者である金英一です。どうぞよろしくお願いします。これまで代表の金、益田、原田から既存事業や基盤事業についてご説明がありましたが、そこからさらなる成長をどのように伸ばしていくかについて、私からお話しします。

従来の食品・化粧品・医薬品の分野に加え、繊維・電池材料・アグリの3つの分野に新たに挑戦しています。特に繊維、電池材料、アグリ分野については、ここ5年間にわたる研究を重ね、研究段階から事業化段階への移行が非常に順調に進んでいます。

まず、スライドに記載しているとおり、私たちは誰もが知る卵殻膜から、誰もが知らなかった新たな価値を発見しました。それが、繊維、電池材料、アグリの分野に関するものです。

こちらは、経済産業省の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からご支援をいただき、「バイオものづくり革命推進事業」として51億円の研究費用を受け、現在進めています。

国内外で「ovoveil」の認知拡大に取り組み、国内で原綿供給を開始

その1つが繊維です。卵殻膜を用いた繊維は、非常に肌触りが良く、風合いも優れ、肌に優しいだけでなく、肌のバリア機能を高め、さらに環境に優しい点が特徴です。

2025年の大阪・関西万博を通じて、私たちの繊維を世の中のみなさまに知っていただけたことで、特に海外において「卵殻膜を用いた繊維をぜひ使ってみたい」と大きな引き合いをいただいています。

例えば今年2月には、世界最大のテキスタイル展示会であるパリ開催の「Premiere Vision Paris(プルミエール・ヴイジョン・パリ) 27SS」に出展しました。ハイブランドのアパレルメーカーの方々に触っていただき、「ぜひ試作したい」とのことで商談を進めています。

現在、具体的な製品としては、Tシャツだけではなくジーンズにも展開できることが明らかになってきました。

特に裏地に「ovoveil(オボヴェール)」を使ったものは、非常に肌触りがよく、長時間履いてもまったく疲れを感じず、ずっと着ていたいと思わせる仕上がりとなっています。これが1つの特徴であり、さまざまな分野に応用していきたいと考えています。

卵殻膜からエネルギー密度と高出力を高次元で両立した新電極材を創成

2つ目のトピックスは、まったく新しい領域である電池材料についてです。卵殻膜を用いた電池材料は、従来の電池材料とはまったく異なる特性を持つことが明らかになりました。例えば、エネルギーを多く蓄え、それを急激に放出するという相反する2つの軸が必要ですが、当社が新たに開発した卵殻膜原料を用いることで、それを両立できることがわかりました。

現在は、信州大学の副学長である金翼水(キム イクス)先生に研究を進めていただいています。昨年には、研究知見をまとめた論文がインパクトファクターが20を超える学術誌に掲載され、その成果が認められて研究が進んでいます。

先週には日本の大手バッテリーメーカー2社と商談を行い、「ぜひ評価してみたい」というポジティブな声をいただきました。産業にしっかりと貢献できる段階に到達したと考えています。

農水省「オープンイノベーション研究・実用化推進事業」採択で事業化を加速

3つ目のトピックスは、アグリについてです。私たちは「バイオスティミュラント」という肥料や農薬の代わりとなる第3の技術に着目し、これまでトライアルを行ってきました。

昨年度は京都だけでなく、九州、北陸でもバイオスティミュラントを活用した評価をお米に対して実施し、収量や品質の向上が実証実験で確認されました。

このデータを基に農林水産省から予算をいただき、現在、東京大学、伊藤忠商事グループの伊藤忠食糧、さらに京都府農林水産技術センターや佐賀大学と新たなコンソーシアムを組み、実証実験を重ねています。

このように、私たちの基盤である食品・化粧品・医薬品に続く新たな産業として、繊維・電池材料・アグリが形になってきました。次の成長ステージとして、この6つの分野でさらなる発展を目指していきたいと思いますので、応援をよろしくお願いします。

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