■タナベコンサルティンググループ<9644>の業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比12.0%増の16,282百万円、営業利益で同20.9%増の1,813百万円、経常利益で同16.0%増の1,843百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同8.2%増の1,100百万円といずれも会社計画を上回って着地した。売上高は5期連続の増収で過去最高を更新、各段階利益も2期連続で過去最高を更新した。また、グループシナジーの創出もあって、すべての経営コンサルティング領域で増収、すべての子会社で好調な決算となった。なお、2025年7月からピースマインドの業績を連結対象としたことで、売上高は数億円の増収要因となったが、利益面での影響はM&A費用やのれん償却額の増加等もあり限定的だったとみられる。
営業利益の増減要因を見ると、売上高が前期比1,738百万円の増収(同12.0%増)となったのに対して、費用は商品・サービス原価で216百万円減(同4.9%減)、人的資本投資(売上原価、販管費合計)で1,287百万円増(同20.3%増)、デジタル・DX投資で91百万円増(同27.3%増)、ブランディング・マーケティング投資で127百万円増(同36.5%増)、その他一般管理費で136百万円増(同8.2%増)となった。
人的資本投資の増加要因は、既存事業会社における処遇の向上や人員増に加えて、新規連結子会社の人件費が連結対象期間分、加算されたことによる。期末の連結従業員数は843名となり、前期末比で18.6%増加した。一方で、商品・サービス原価ではプロモーション商品を取り扱う低収益案件を戦略的に手控えたことが減少要因となり、対売上比率では前期比4.5ポイント低下し、売上総利益率の改善要因となった。デジタル・DX投資やブランディング・マーケティング投資はそれぞれ持続的成長に向けた投資となり、対売上比率で上昇したが、これら投資費用を増収効果や売上総利益率の改善によって吸収し、営業利益率は11.1%と2020年3月期に連結決算を開始して以降、最高水準となった。
また、本来の収益力を示すEBITDA(償却前営業利益)についても同25.2%増の2,155百万円、EBITDAマージンで13.2%といずれも過去最高を更新している。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の伸び率が経常利益よりも低くなっているのは、子会社の業績好調により非支配株主に帰属する当期純利益が前期の83百万円から208百万円に拡大したことが要因だ。特に、グローウィン・パートナーズの収益が大きく伸長した。
同社がKPIとしているチームコンサルティング売上高は前期比16.8%増の11,524百万円、件数は同17.9%増の2,294件、期中平均社数で同9.9%増の1,359社といずれも過去最高を更新した。M&A効果に加え、既存グループ会社の売上も順調に拡大した。1件当たりの平均単価が同0.9%減の502万円と若干低下したが、1社当たり平均案件数が同7.3%増の1.69件と増加したことで、1社当たりの平均売上高は同6.3%増の847万円と上昇傾向が続いた。1件当たりの平均単価が低下した要因は、M&Aした子会社で単発契約から継続的な売上が期待できるチームコンサルティング契約への切り替えを推進しており、2026年3月期は比較的規模の小さい案件の契約が増加したことによる。一方で、1社当たり平均案件数についてはグループシナジーにより多様なコンサルティングニーズを取り込めたことが要因で、1社当たり平均売上高の増加につながった。また、基本6ヶ月以上の長期契約サービスで構成され安定的な収益基盤となるベース売上高については、ピースマインドを子会社化した効果もあって、同21.3%増の10,906百万円と大きく伸長し、過去最高を連続更新した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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