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データから見る、PBR(株価純資産倍率)が割安な銘柄を安易に買うことはできない理由=若林利明

買い上がらない日本人投資家は、どうやらここ10余年、リーマンショック以降にその考え方が定着したよう。売買行動をみるとその行動が浮き彫りにされてきます。(『資産運用のブティック街』若林利明)

筆者プロフィール:若林利明
外資系機関投資家を中心に日本株のファンドマネージャーを歴任。現在は創価女子短期大学非常勤講師、NPO法人日本個人投資家協会協議会委員。世界の株式市場における東京市場の位置づけ、そこで大きな影響力を行使する外国人投資家の投資動向に精通する。著書:「資産運用のセンスのみがき方」(近代セールス社)など。

※本記事は有料メルマガ『資産運用のブティック街』2019年11月5日号を一部抜粋・再構成したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

PBRが安値圏の銘柄に関する議論は、吟味が必要

調整局面における買い行動…個人現物投資家の投資行動

買い上がらない日本人投資家、とりわけ個人の現物投資家の行動をそのように表現してきましたが、どうやらここ10余年、リーマンショック以降にその考え方が定着したようでもあります。

実際、主体別投資家の一構成要因として分類されている個人現物投資家の売買行動をみるとその行動が浮き彫りにされるようです。

ここでは2013年以降の東京市場における個人現物投資家の行動、売り買い月の実績を示しました。水平線(0)より上に出ているのが買い越し月です。圧倒的に売り越し月が多く、かつ売り越し額の大きさが目立つグラフとなっております。

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日経平均の中に丸で囲ったポイントを4つほど示しておりますが、いずれも上昇の後の押し目、調整局面です。個人投資家は買いたい銘柄の上昇を見ながら、その後、若干の調整期間を期待、そのタイミングを待って買いに入るようです。高値を追って買いに行くことを避ける姿が良く出ているようです。

調整期間の買い行動…PBR基準の個別銘柄適用は実績吟味が必要

目先の安値圏、調整圏といっても、安いなりの目安が必要となります。

◎割安と感じるPER
◎下値目処としてPBR
◎利回りが納得できる水準

上記のどれか、つまりファンダメンタル要因から買う理由を見つけ出すことが多いとおもわれます。ここでは、株価の下値に関わる位置測定に有益とされるPBRを見てゆくことにします。ここで注意することはそのPBR値の銘柄ごとの差が驚くほど大きくなっているという事実です。

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上記の表は10年遡った東証一部上場会社のPBR値の変遷です。現在は1を若干上回った程度です。この動きをもとに、個々の銘柄を市場と比較して割高、割安を論ずる場合もしばしば見受けられますが、この種の市場平均と個別銘柄を直接比較する話は、粗雑なアプローチとおもわれます。個々の銘柄のPBRの現実を整理してみるとその格差の大きさに驚きます。

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一般的に成長株として評価されるほどPBR1の底値圏の論議から遊離した株価となります。一方で上記、PBR0.5倍未満銘柄が全体の11.6%、約250社あるのも驚きです。多くは地方銀行です。個々の銘柄の割安度を認識するにはまず、この現実を理解して次のステップに移ることが有益です。そこではこれまでの株価の軌跡をたどり当該銘柄なりの水準(PBR)を十分理解して今後の株価割安度の判断に役立てるようにすることです。

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imege by : momoforsale / Shutterstock.com

資産運用のブティック街』(2019年11月5日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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