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投資家の「ダメなところ」を炙り出すイエレン議長ジャクソンホール講演=近藤駿介

「今週末にジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演を控え、様子見気分が強まっている」。これが、最近の金融市場動向を報じる際の常套文句となっている。しかし資産運用上重要なことは、こうした市場が動かない時に何をしておくかである。(『近藤駿介~金融市場を通して見える世界』近藤駿介)

プロフィール:近藤駿介(こんどうしゅんすけ)
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験。評論活動の傍ら国会議員政策顧問などを歴任。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝える無料メルマガに加え、有料版『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』を好評配信中。

市場が動かないときの準備と行動にこそ「投資家の能力」は表れる

投資家にとって最も危険なのは「思考停止」

「今週末にジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演を控え、様子見気分が強まっている」。これが、最近の金融市場動向を報じる際の常套文句となっている。資産運用上重要なことは、こうした市場が動かない時に何をしておくかである。投資家にとって一番危険な行為は、市場が動かないからといって思考回路も停止してしまうことだ。

「順張り」か「逆張り」か、市場動向に対する行動が決まっている、換言すれば「順張り」「逆張り」という投資行動が目的化している投資家はそれでも構わない。市場の反応に合わせればいいからだ。

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しかし、そうではなく「収益を上げること」を目的にする投資家は、市場が膠着状況を強めれば強めるほど思考を巡らせなければならない。

経験上、市場が膠着状況を強めた局面で何を考え、自分のポジションを来るべきイベントまでにどのようにしておくかが、運用担当者の能力の差が最も現れるところ。イベント後の市場反応を見てから動く投資家の投資行動は、多くの場合「順張り」になるから、そこでは能力の差は生じ難い。

もっとも、昨今の日本の運用はTOPIXなどの主要な株価指数をベンチマークにしたものになっており、イベントに対する備えを考える必要のある運用担当者(ファンドマネージャー)はほとんどいない。こうした状況が、近年のファンドマネージャーの能力低下を招く要因になっている。なぜなら、必要のない能力は退化する運命にあるからだ。人間の尾骨のように。

  1. 十分なデータがあれば、誰でも判断が下せる
  2. 有能なマネージャーは、データが不十分でも、判断を下せる
  3. 完璧なマネージャーは、何も知らなくても、職務をまっとうできる
  4. (マーフィーの法則「スペンサーのデータの法則」)

イエレンFRB議長がジャクソンホールで行われる講演でどのような発言をするかは定かではない。しかし、「優秀なファンドマネージャー」であれば、講演内容に対する情報が不十分でも判断を下すことはできる。

Next: どこを見るべき?イエレンが「利上げ時期を明確にする」ことはまずあり得ない

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