9月20、21日の日銀金融政策決定会合では「総括的な検証」が発表される予定となっている。日銀としては今までの政策はうまくいっているが、いろいろな事情が重なり、物価目標は達成できていない。要するに物価目標未達成の理由(というか言い訳)を論理的に説明する準備をしているものと予想される。しかし、いつまでもこのような異常ともいえる政策は続けるべきではないはずのものである。(『牛さん熊さんの本日の債券』久保田博幸)
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単なる言い訳に終始しそうな検証。本来すべき日銀の総括とは?
9月日銀会合で何が飛び出すか
9月20、21日の日銀金融政策決定会合では議長(恒例により通常は日銀総裁)から指示のあった「総括的な検証」が発表される予定となっている。企画を中心とした執行部はその取りまとめを現在行っていると推測される。
日銀としては今までの政策はうまくいっているが、いろいろな事情が重なり、物価目標は達成できていない。要するに物価目標未達成の理由(というか言い訳)を論理的に説明する準備をしているものと予想される。
フレームワークの調整としては、外部要因による影響も考慮してもう少し期間や量の幅などを柔軟にするといったことが予想される。
マイナス金利政策については金融庁からも指摘があった以上、深掘りは選択肢に入れることはできず、むしろ1月に決めた多段階方式をさらに複雑化させて金融機関に配慮するようなことも予想される。
日銀が現在の前向きの姿勢を維持している限り、このような予想にならざるを得ない。
しかし、いつまでもこのような異常ともいえる政策は続けるべきではないはずのものである。
短期決戦を狙ったものの、当初の勢いはなくなり戦線は拡大したが、いたずらに量を増やすだけとなり、金融市場を混乱させてしまっている。開戦を画策した当事者たちからは玉砕戦法とすらいえるヘリコプターマネーまで持ち出される始末である。
ここで日銀が本来すべき総活とは、これまでの政策の前提に間違いはなかったのかとの点に絞るべきである。単純に量を増やし、引き返しが困難な状況に自らを追い込むことで何か変わったのか。つまり国債を大胆に長いものまで買い込んで、マネタリーベースをとてつもなく大きくすることでレジームチェンジは起きたのか。
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