国債の運用は?
一方、国債の運用では、日銀はあまり長期国債を買うべきではありません。景気上昇のためには、短期金利の低め誘導が肝心なわけです(「短期の国債」購入が正解)。
短期の国債ではなく長期国債が買われて長期金利が低いということは、低金利の長期継続=デフレ傾向が長引くことを暗示するためです(=イールドカーブのフラット化)。
ですから、短期金利がかなりマイナスで、長期金利は微プラスというのが、景気刺激には一番効果的です。
さらに、日銀が長期国債を買うことで、民間銀行の国債保有リスクを日銀に無制限に移し替えたのと同じようなことが起きています。つまり、民間銀行が国債を売り抜けるために、日銀が買っているかのような状態となっているのです。
ですから、日銀は、株式の購入では運用上手であるのですが、本家本元とも言える日本国債の景気刺激オペレーションではあまり上手ではなかったということが言えます。
とはいえ、日銀もマイナス金利を導入しましたから、海外のアメリカ、ヨーロッパの景気回復の効果が波及して、今後は日本でも景気は上昇します。
企業の内部留保の積み上げで国民の所得が向上しなかったことや、低所得者への給付が、欧米に比べて一般化されていないことが、日本の景気回復を妨げています。しかし、銀座など都心の不動産価格の上昇にみられるように、景気の加速は時間の問題となっています。
『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2017年5月30日)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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