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もんじゅ廃炉という悪知恵。なぜ原子力村の血税タカリは許されるのか?=新恭

「消えた国民の血税」のカラクリ

民主党政権の頃に行われた「事業仕分け」の会議で、財務省主計官はこう指摘した。

実質的には、もんじゅの予算のすべてが維持管理費だ。そのうち人件費が大量に含まれているのではないか。これが果たして研究開発費といえるのか。

「もんじゅ」は運転開始して間もない95年にナトリウム漏れ火災を起こして停止した。2010年5月、14年半ぶりに運転を再開したが、8月にはまたしても原子炉容器内に筒型の炉内中継装置が落下する事故を起こし、さらに点検漏れ、虚偽報告などが続いて、停止したまま稼働のメドはついていない。

「もんじゅ」にこれまで1兆円を投じた無駄遣いが指摘されている。だが、核燃サイクルをめぐる損失額はそんなものではない。

もともと高速増殖炉を手がけていた核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所が統合して2005年10月にJAEAが誕生した際、サイクル機構にはなんと2兆5,657億円の繰越損失金があった。

政府はこれをどう処理するか頭をひねった末、政府出資金4兆円超から損失処理分を減額するやり方で帳消しにした。その結果、国民の巨額の血税は闇に消えた

研究開発を主とした、いわば交付金や補助金以外に収入源のない法人への出資金は、政府が回収できないケースがあるばかりか、追加の出資を重ねることも多い。そうなると当然、残高が蓄積してゆく。

サイクル機構の場合、出資残高が巨額になったのは電源特会(現エネルギー対策特別会計)からの支出が1980年から始まり、年々増え続けたからだ。

こうして積みあがった4兆円を超える出資金の巨額未返済を、メディアが大きく報じることもなく、いつの間にか損失処理されてJAEAという独法が誕生し、新たな天下り利権の仕組みが出来上がったのである。

国策に庇護されてきたとはいえ、この機構に流れた国家マネーの行先はあまりに不透明だ。それでも、核燃サイクルという神話を維持するために、これからも国民の血税をここに注ぎ込むつもりらしい。

「もんじゅ」の廃炉を、生贄として差し出すことによって、JAEAという利権組織を守り、原発再稼働、使用済み燃料再処理、プルトニウム利用技術の進展をはかろうという思惑がみてとれる。

これまで核燃サイクルを理論的に支えてきた日本原子力学会は9月23日、「もんじゅ」について、「無理をせずに段階的に出力を上げ、有効利用を図るべきだ」と廃炉に反対の意向を表明した。この期に及んでも、利益共同体である「原子力ムラ」の身勝手な理屈を押しつけようとするのだ。

しかし半面、原子力学会の声明は「もんじゅ」の本質をついているともいえる。

Next: 日本はどれだけのプルトニウムを保有しているのか

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