fbpx

悲願の上場!JR九州の「東京・大阪殴り込み作戦」は成功するか?=栫井駿介

成長性は限定的で割安感なし

先に上場したJR3社は上場以降業績を向上させてきましたが、いずれも高い経済力を背景とした駅ビルの開発余地があり、同時に国鉄の負の遺産である債務の削減効果があって達成されました。

また、JR東海は東海道新幹線という圧倒的なドル箱路線を持っていたことが株価を4倍以上に押し上げる原動力となりました。一方、九州の鉄道にそれほどの力はなく、抱えている多くの路線は赤字です。

今期の予想利益から想定されるJR九州のPERは10.9倍と、JR西日本とほぼ同じ水準です。配当性向は30%を目標としていますが、今期は上場からの期間が短いということでその半分に抑えるとしています。成長性や強みを考えても、決して割安と呼べる水準ではありません

※PER、配当利回りは今期会社予想、2016年10月21日時点
PER 配当利回り
JR九州 10.9倍 1.44%
JR東日本 13.6倍 1.41%
JR西日本 11.7倍 2.17%
JR東海 9.4倍 0.75%

会社の規模が大きいので、初値やその後の株価の動きは多くのIPO銘柄とは異なり大きく動く可能性は低いでしょう。上場するからといって、慌てて購入する銘柄ではありません。

もちろん豪華列車の「ななつ星in九州」など革新的な取り組みをしていて、将来がおもしろい会社でもあります。じっくり観察し、割安になったタイミングを見極めるには一考の価値があるでしょう。

つばめ投資顧問は相場変動に左右されない「バリュー株投資」を提唱しています。バリュー株投資についてはこちらのページをご覧ください。記事に関する質問も受け付けています。

※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。

【関連】投資チャンス到来! 世界の4大リスク「ABCDショック」はこう乗り切れ=栫井駿介

【関連】いま世界が注目する日本企業「メルカリ」はどれくらい儲かっているのか?=梶原真由美

【関連】暴落したクックパッドは、本当に「買ってはいけない」クソ株なのか?=八木翼

1 2 3 4

本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2016年10月22日)

無料メルマガ好評配信中

バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問

[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらTwitterでMONEY VOICEをフォロー