可能性は五分五分。安倍首相「決断の条件」とは?
1月解散風の発端は、自民党が例年1月に開催している党大会を3月に延期したことから始まる。そして、この12月で衆議院議員任期のちょうど半分が終わる。
また、ロシアのプーチン大統領が日本に来て、安倍首相との首脳会談に臨む。北方領土四島のうちの二島だけ返還に応じ、残りの二島はまた「期限を決めずに前向きに考える」という結論ならば、大成功と見て良いと安倍首相は考えるし、国民も一応納得する。
二島でも返還されれば、漁船が領海を侵犯してロシアに拿捕されることもなくなる。海に線が引いてあるわけでもない、塀ができているのでもない。漁船が迂闊に領海に入ることも十分あり得る。二島でも返還されれば、領海侵犯での拿捕はなくなる。
また、江戸時代松前藩の時代から出張所があったことが明確であって、元々日本の領土だった北方四島を旧ソ連が実効支配してしまったことが明らかであるものに対して、「面積はわずかであっても人口がわずかであっても、小さな二島であっても、それを取り戻すことに成功した、残りの二島は追々前向きに考える」ということで手を打てば、これで一応の成功と見る。
そうすると必ず、12月か1月総選挙はあるであろう。
ここで問題なのは、これらの動きが安倍政権にとって「有利」という判断になるのか否かということである。つまり、ひとつの難点は「何を争点にするか」である。そうした点を考えれば、1月解散の可能性はまず五分五分未満であろう。
蓮舫代表の率いる民進党は、総選挙に向けた準備が全く整っていないであろう。ひょっとしたら党代表が更迭されかねない問題も孕んでいる。共産党などとの野党共闘も全く進んでいない。そうした事情を考えれば、そして12月プーチン会談の成功を考えれば、無理をしてでも12月か1月に総選挙という判断もあり得る。
従って、やはり五分五分というところか。
『山崎和邦 週報「投機の流儀(罫線・資料付)」』(2016年10月24日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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