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「小池一人で夜も眠れず」安倍総理が民進党“消滅”でも高笑いできぬワケ=近藤駿介

「小池さんはずるい」に垣間見える焦り

安倍政権に近いとされる専門家の中には、「小池さんはずるい。既存の政党はこれまでの実績で評価されるのに、小池さんは期待で評価されている」といったコメントをされる人も出てきているが、これは専門家らしからぬ本末転倒の議論である。

有権者が納得できる「実績」を上げている政党・政治家ならば、「実績」を持たず「期待」しかない政党・政治家に負けることはない。「期待」が「実績」を上回っているとしたら、その「実績」が有権者の期待より低いか裏切ったものだからに他ならない。

こうした発言が出てきているのは、「ステルス小池」が突然目の前の敵として現れたことに、安倍政権側が焦りを感じていることの表れでもある。

「基本的な理念は同じ」という敵に政策論争を仕掛けられることは、安倍政権側も想定していなかったはずである。石破元幹事長が「『小池百合子なにするものぞ』みたいな戦いは、(自民)党にとって極めて危険だ」「小池氏の発信力を侮ってはいけない」と警戒感を強めているのも、小池代表率いる「希望の党」が「基本的な理念」において同じ土俵に乗っており、「こんな人たちには負けるわけにはいかない」と攻撃できる相手ではないからだ。

すぐの「下野」はなくとも、安倍総理にとって最大の脅威

小池都知事率いる「希望の党」は、まだ海のものとも山のものともわからない。しかし、「希望の党」の出現によって、総選挙での対立が「自民」vs「反自民」、「保守」vs「リベラル」といった基本理念の異なった政党同士のものから、「基本的な理念が同じ」政党同士での「政策」の対立に移ったということは歓迎すべき変化だといえる。

常識的に言って、この総選挙で自民党が下野するような敗北を喫するとは考えにくい。しかし、今「内閣支持率が30%を割り込むと1年以内に政権は倒れる」というジンクスを最も気にしているのは、安倍総理自身かもしれない。

※本記事の続編を公開しました、ぜひ併せてご覧ください(2017年9月30日)
テレビが伝えぬ「小池劇場」本当のみどころと安倍総理最大の不安=近藤駿介


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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2017年9月28日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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