現金は何にでも使える「いざという時の備え」
現金の最大のメリットは、実物資産やサービスを買えることです。
個人投資家は、株式投資だけをして生活しているわけではありません。生きていく上では予想している・いないにかかわらず、お金が必要な場面が訪れます。
例えば、地震が起きて家が全壊してしまったとします。幸い命が助かっても、その先の生活を立て直さなければなりません。地震保険をかけていたとしても、おりる保険金は資産額の半分までです。
家を立て直そうにも、そのときに相場が落ち込んでいたら保有株を売却するのも躊躇するでしょうし、そもそもそんなことを考える余裕もありません。そのようなときに、すぐに使える現金があれば、何よりも重宝するでしょう。
地震は少しオーバーなケースですが、多くの人は医療保険に加入して「万が一」に備えています。しかし、よほどのことがなければ社会保険によりカバーされ、多額の支出は必要ありません。百万円もあれば十分な備えになるでしょう。
保険金は定められた場合にしか利用できず、例えば医療保険と損害保険は別でかけなければなりません。その点、現金で持っていれば何にでも使うことができます。
そう考えると、毎月保険金を払って保険会社を潤わせるくらいなら、現金として持っておき、投資パフォーマンスの向上を目指すと同時に、何かあった時の備えにした方が良いというのが私の考えです。
「キャッシュ・イズ・キング」という言葉があるように、現金は何よりも強い資産です。その重要性を認識し、すべての資金を運用に投じるのではなく、ある程度の現金を確保しながらポートフォリオを考えることをおすすめします。
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『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2018年2月10日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。