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米住宅市場の時限爆弾。復活した「返済は利息だけ」ローンが次のサブプライム危機を引き起こす

再び破綻に向かいつつあるファニーメイとフレディマック

2015年3月18日に米国連邦住宅金融機関の監査官の報告書が提出されました。ファニーメイとフレディマックの2つの住宅金融公社の健全度の監査です。報告書のタイトルは「今後も収益が安定して得られるかは疑問」です。それを紹介します。

ポイント

★2008年のサブプライムローン危機のとき、その有毒性住宅ローンを買い集めていたのは、米国住宅金融公社のファニーメイとフレディマックだった。その毒素により、この2つの巨大金融公庫は倒れ、アメリカ国民の税金で救済されて今日に至っている。

★米国連邦住宅金融機関の監査官報告によると、この2つの住宅金融公社は最近特に利益を減らしていて、自己資本も減っており、もし経済が悪化すると、体質の脆弱化が進むと警告している。2008年に実質国有化した時の救済注入資金は187.5B$であった。
ファニーメイの場合は、前前年度の純益が6.5B$だったのが、前年度では1.3B$に。フレディ・マックは、前前年度の純益が8.6B$だったのが、前年度では0.227B$に減っているのである。

実際の報告書の中身は?

(ア) 2つの住宅金融公社の利益を見ると、2008~2009年は100B$前後の損失を抱えていた。この損失は2010年に劇的に改善し、2013年には140B$近くの利益を出した。しかし2014年には20B$程度に再び利益は縮小している。灰色がファニーメイ、青色がフレディマックです。

(イ) 2012年から2014年の利益構成です。青色が一時的な収入(無理矢理出させた人工的利益)で、灰色が本来の収入源から得られた利益です。

(ウ) 不動産担保証券の保有者(投資家)の構成推移です。1985年から2014年第1四半期の期間です。構成区分は、水色はその他の投資家、茶色がREITです。少ないですね。黄色がGSE、政府支援機関で、少ないです。緑色が海外の投資機関、赤色は内容が分かりません。青色は保険会社、年金基金、投資信託等です。

注目すべきは紫色です。これは米国連銀です。2009年から、腐敗した住宅担保証券を買い入れてサポートしたのです。言い換えれば住宅金融公社の損失を代わりに吸収したのです。それで上述のように2010年にファニーメイとフレディマックの収益は劇的に改善したのです。そのかわり、米国連銀内部には腐敗資産がゴロゴロ状態となっているのです。

(エ) 折線グラフは一戸建て住宅ローンの破綻率、焦げ付き率です。さすがに2008年(赤色)以降設定の住宅ローンは貸し出し基準を厳格に引き上げたので破綻率は低いのですが、2006年(青色)設定ローンは8.5%、2007年(紺色)設定ローンでも9%と現在も高く、今後もさらに上昇する勢いを見せています。2005年(橙色)設定の住宅ローンでさえも5%と予断を許さない状況です。これを米国連邦住宅金融機関の監査官は心配しているのです。破綻すれば、そのローンからの返済がなくなり、収益はゼロどころか、大損失となるからです。

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(オ) ケースシラー住宅指数30年チャートで見ると、現在の住宅価格は高すぎると思われます。

(カ) 15年チャートで視点を変えて見ましょう。現在の価格は170レベルであり、2008年と同じです。これから185に向かうのか、または150へと向かうのか、それとも135程度で留まるのか、さらに下落するのかは分かりません。しかし、もし再び住宅ローン返済ができなくなるような超不況が来れば住宅価格指数は下がるはずです。そうなれば、売却して差益を得ることなど不可能となり、破綻件数も再び上昇し、2つの住宅金融公庫はまたもや倒産となります。

この警告レポートに対して、住宅金融公社からの回答、対策はないようです。次の再破綻の際には、再び国民の税金で再生してもらうことを願っているのでしょう。

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いつも感謝している高年の独り言(有料版)』(2015年8月5日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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