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北朝鮮をねじ伏せたトランプ、次の矛先「米中貿易戦争」に市場も緊迫=近藤駿介

米朝会談が決裂せずに終わり、本来のリスク「貿易戦争」が顔を出したことで金融市場は騒がしくなってきた。損害を受けるのは中国と、とばっちりを受ける日本だ。(『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』近藤駿介)

プロフィール:近藤駿介(こんどうしゅんすけ)
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験。評論活動の傍ら国会議員政策顧問などを歴任。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝える無料メルマガに加え、有料版『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』を好評配信中。著書に、平成バブル崩壊のメカニズムを分析した『1989年12月29日、日経平均3万8915円』(河出書房新社)など。

業を煮やしたトランプが、「数量」での貿易赤字解消に乗り出した

本来の主役「米中貿易戦争」の出番がやってきた

米朝首脳会談が決裂せずに終了したあと、金融市場は少し騒がしくなってきた。NYダウは1年3ヶ月ぶりとなる8日続落。日経平均株価も週明けから2日連続での大幅安となり、アジア株高や円安を好感して20日・21日は続伸といったんブレーキがかかったものの、22日には欧米株安などから売りが先行して3日ぶりに反落となった。

世界中の注目を集めた米朝首脳会談後を無事に通過した後に、株式市場が動き出した要因は、米中を中心とした貿易戦争が激化する懸念が高まったことにある。

実際には貿易戦争が米朝首脳会談前から主役になるべきものであったが、ここまではド派手な米朝首脳会談に主役を譲っていた格好だ。

米朝首脳会談という表の主役は、短期筋の「リスクオン」「リスクオフ」を誘発する可能性は高いものの、世界の資金の流れにはほとんど影響を及ぼすものではない。

それに対して、米中を中心とした貿易戦争は、世界の資金の流れに影響を及ぼす出来事である。

理想論に流されると痛い目を見る

こうした貿易戦争のような出来事に対応する際に重要なことは、「べき論」」「理想論」に流されないことである。

米国を除く主要国は、日本も含めて自由貿易が世界経済を発展させるという「理念」を掲げて米国の対応を非難している。

しかし、自由貿易が世界経済を発展させるという「理念」は、米国が世界最大の市場を提供し、一度は貿易赤字を甘受することが前提としたものである。

それは、理屈上は自由貿易の結果生じる貿易不均衡は、為替市場で貿易黒字国通貨が上昇することで貿易不均衡が調整されることになるからである。

貿易不均衡を解消する2つの手段

貿易不均衡を解消する手段としては「為替」と「数量」の2つがある。

このうち「為替」は、強制的にドル安誘導するなどしたものの、30年以上貿易赤字問題を解消させることはできなかった。

短期的な成果を目指すトランプ大統領は、無駄に時間を費やすだけで理屈通りに貿易不均衡解消をできない為替市場の自浄作用にかけることを放棄し、「数量」での貿易赤字解消に乗り出したと考えるべきである。

「数量」で貿易赤字解消を目指すやり方が大国としてあるべき姿であるかは、様々な意見が出るのは当然のことである。しかし、こうした「べき論」に付き合うのは投資家にとって賢明なことではない。

Next: とばっちりを受けるのは日本。トランプが諦めるまで攻撃は止まない

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