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アノニマス、フォルクスワーゲン大株主のドイツ銀行に宣戦布告

9月20日の声明

さらに9月20日、アノニマスの公式サイトで以下のような声明があった。

ドイツ銀行や、スペインのバンコ・サンタンダーは米連邦政府のストレステストに合格しなかった。また、アメリカ最大の銀行、バンク・オブ・アメリカには警告が出ている。いつまで普通の人々が民間銀行の失敗の責任を負わなければならないのか?

アノニマスは、10月1日から31日までの平和的な革命に参加を呼びかける。銀行口座の現金をすべて引き出してほしい。クレジットカードは使わないで現金で支払うこと。これで未来が変わる。我々は大銀行のデビットカードやクレジットカード、ローン、そして大銀行そのものも必要がないことを見せつけようではないか。

我々こそが99%で、彼らをやっつけることができることを見せつけよう。

以上である。

アノニマスの警告と危機的状況にあるドイツ銀行、その奇妙な符合

この声明だけを見ると、銀行預金の引き出しを大勢で行い、銀行の機能を停止を呼びかけているだけで、銀行のオンラインシステムやサーバーのハッキングまでは計画していないようにも見える。

しかし他方、9月20日の声明にあるドイツ銀行は実際にいま危機的な状況にある。そのひとつは、ドイツ銀行が他の大手金融機関とともにLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)および為替レートの不正操作疑惑で調査対象になっていることだ。

アメリカをはじめとする規制当局は、今後数ヶ月以内にドイツ銀行から巨額の罰金を徴収する意向を明らかにしている。

いまこの訴訟費用の負担が巨額に上り、ドイツ銀行が最近発表した7-9月期(第3四半期)決算では赤字に転落した。さらに巨額の罰金が課せられた場合、ドイツ銀行は第2のリーマンにさえなる可能性が指摘されている。

さらにドイツ銀行は、いま排ガスの規制をごまかす不正ソフトウェアのインストールが問題になっているフォルクスワーゲンの大株主である。また、フォルクスワーゲンに長期融資を提供している。すでにフォルクスワーゲンの株価は35%も下落しており、これはドイツ銀行の経営をさらに圧迫することは間違いない。

ちなみにドイツ銀行は、ヨーロッパ最大規模のデリバティブを保有しており、その総額は75兆ドルにものぼると見られている。ドイツのGDPは4兆ドル程度なので、その規模の大きさは想像を越えている。ドイツ銀行が破綻した場合、その額の大きさから見てEUによる救済は不可能だろうと見られている。

果たしてアノニマスは、ドイツ銀行のこうした状況を知ったうえで預金を引き出せとの呼びかけを行ったのだろうか?

いまドイツ銀行とフォルクスワーゲンについては調べているので、次回以降の記事に改めて詳しく書く。

【関連】ロシアのシリア空爆で明らかになった「米軍によるイスラム国支援」

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未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』(2015年9月25日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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