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一人っ子政策廃止で育児関連に買い。中国の「小康社会」は実現するか?

一人っ子政策の廃止を好感し育児関連に買い。中国株の反応は?

本土大引け:小反落、一時3400ポイント超えも上値の重さ意識される

10月30日の中国本土株式市場で、上海総合指数は小幅に反落。終値は前日比0.14%安の3382.56ポイントだった。上海、深セン両市場の売買代金は概算で8025億5800万元。

上海総合指数 日足(SBI証券提供)

上海総合指数 日足(SBI証券提供)

上海総合指数は前場にほぼマイナス圏で推移も前引け間際に切り返すと、後場はプラス圏でもみ合う展開。中国共産党の第18期中央委員会第5回全体会議(5中全会)で「一人っ子政策」撤廃が決定されたことが好感された。

ただ、節目の3400ポイントを上回る水準では上値の重さが意識され、大引けにかけて上げ幅を縮めると、結局、マイナス圏に沈んで終えた。セクター別では、石油、銀行、自動車の一角などが売られる半面、証券、ベビー用品、食品、不動産が買われた。

A株市場では、四半期業績が市場予想を大幅に下振れた石油株のペトロチャイナ(601857)、シノペック(600028)が下落し、相場の重しになった。中国銀行(601988)のさえない決算内容を嫌気し、同銘柄や中国工商銀行(601398)など銀行株の一角も安い。好業績を発表したBYD(002594)は好材料出尽くし感から売られた。

一方、政策支援を追い風に、粉ミルクメーカーの貝嬰美(002570)、ベビー用品の金発拉比(002762)がストップ高を付けるなど子育て関連株が買いを集めた。このほか、保利房地産集団(600048)など不動産の一角も高い。

上海B株指数は2.38%高の358.55ポイント、深センB株指数は0.14%高の1153.44ポイントとともに続伸した。

香港大引け:3日続落、約2週間ぶり安値

10月30日の香港株式市場でハンセン指数は3日続落。終値は前日比0.79%安の22640.04ポイントだった。H株指数は0.41%安の10396.58ポイント。メインボードの売買代金は概算で693億2600万HKドル。

香港ハンセン指数 日足(SBI証券提供)

香港ハンセン指数 日足(SBI証券提供)

ハンセン指数は終日、ほぼマイナス圏で推移した。本土市場の上昇を受けて一時プラス圏に浮上する場面もみられたものの、勢いは続かなかった。中国共産党の第18期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が29日に閉幕し、コミュニケで第13次5カ年計画(2016-20年)の大枠が明らかになったものの、米利上げ時期をめぐる不透明感が引き続き相場の重しとなった。

11月1日に中国の製造業購買担当景気指数(PMI)の発表を控えて様子見ムードも強まり、指数は今月14日以来、約2週間ぶりの安値水準で取引を終えた。

個別では、AIAグループ(01299)やテンセント(00700)が売られて相場の下げを主導。市場予想を下回る決算を発表したペトロチャイナ(00857)が2%超下げたほか、CNOOC(00883)や昆侖能源(00135)も売られた。

半面、中国で「一人っ子政策」の廃止が決定したことを受け、中国蒙牛乳業(02319)や雅士利国際(01230)など粉ミルク関連、中国児童護理(01259)や好孩子国際(01086)などベビー用品関連が買われた。

H株では、龍源電力(00916)や中国広核電力(01816)など電力株が安い。金先物相場の下落を嫌気し、紫金鉱業集団(02899)や招金鉱業(01818)など産金銘柄の下落も目立った。2015年12月本決算で大幅減益となる見通しを発表した中海油田服務(02883)は2.70%安。半面、9月の自動車販売台数が11%増となった東風汽車集団(00489)が4%近く上昇した。

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【DZH】中国株マーケット&ニュース』(2015年10月30日号)より一部抜粋、再構成
※チャートと太字はMONEY VOICE編集部による

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