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やはり「2%の物価上昇」は無理だった。3つの障壁で日銀大規模緩和は有害無益に=斎藤満

金融緩和の継続を阻む「3つの壁」

1つは、米国から通商交渉において「為替条項」を入れるよう求められています。日本は近年、為替介入こそしていませんが、日銀の金融緩和が円安誘導のためと見られている面があり、結果として円安につながる金融緩和策は、米国から釘を刺される可能性が出てきました。

2つに、日銀の資産として国債を買い続けることは、日銀の財務上、リスクを大きくし、日銀内外から懸念の声が上がっています。日銀の本音はあまり国債の買い入れを増やしたくないはずです。

そして3つに、マイナス金利や長期金利のゼロ設定によって、金融機関の運用が厳しくなり、本業で赤字になる金融機関が増えています。まだ資本の貯えがあるからすぐに破綻しないと言いますが、時間とともにこの資本も食いつぶされ、長期化すれば金融機関の経営が危機に追い込まれます。金融仲介すべき機関が破綻すれば、日銀の政策は実現できません。

大規模緩和はもはや有害無益となりました。

八方塞がりの日本経済

市場も追加緩和は容易でないことは認識し始めました。そして副作用が大きくなっていることも理解し、欧米に続いて日銀も緩和策の修正を模索する時期が来ると見ています。

その前に、日銀は2%の物価目標を後退させ、もし安倍政権が終わるようなことになれば、目標自体、旗を降ろす可能性も出てきます。

しかし、米中貿易戦争や消費税引き上げで景気の不透明感が強まり、市場が不安定になれば、金融緩和の維持が求められ、緩和の修正は難しい環境となります。米国や中国の景気が悪化すればなおさらです。選挙で自民党が勝ち、安倍政権が存続すれば、さらに修正は困難になります。

それでも追加緩和も難しく、金融政策面からの円安期待は次第に後退し、米国の利上げ打ち止め感が強まると、日銀が動かなくとも為替には円高圧力がかかります。円高が定着するなら、外貨運用を抑え、むしろ外貨調達、国内運用が利益を生みやすくなります。

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2019年1月配信分
  • 物価目標への拘りは有害無益(1/25)
  • 改めて中国リスクへの対処が求められる(1/23)
  • 日本を敵に回した韓国の勝算は(1/21)
  • FRBの真の支配者は(1/18)
  • 戦後最長、戦後最弱の景気拡大(1/16)
  • 今年は短期円安長期円高か(1/11)
  • 身動きがとれなくなった日銀(1/9)
  • 新年日本の課題(2)(1/7)
  • 新年日本の課題(1)(1/4)

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【関連】この先も給料は増えない…。絶望する日本人をさらに泣かせる「労働分配率の低下」=斎藤満

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2018年12月配信分
  • 政治リスクの強い新年の日本経済(12/28)
  • 新年の「トランプリスク」をどう読むか(12/26)
  • 苦境に立たされたFRB(12/21)
  • 不気味な「理由なき株下げ」(12/19)
  • セキュリティ対策が先(12/17)
  • 米中通商交渉を巡る複雑な事情(12/14)
  • いつまで続く不安相場(12/12)
  • トランプ対反トランプの国際紛争激化(12/10)
  • 米金利にダブル・リスク(12/7)
  • 米中新冷戦は長期化する(12/5)
  • 消費税対策は徒労に終わる?(12/3)

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2018年11月配信分
・金利差円安の終焉(11/30)
・日産を舞台にした米仏代理戦争(11/28)
・原油価格下落の功罪(11/26)
・成熟した債権国入りはまだ早い(11/21)
・人手不足、低賃金の原因は生産性にあり(11/19)
・大博打の日ロ平和条約交渉(11/16)
・何でもありの消費税対策に混乱も(11/14)
・米国株に2つの逆風(11/12)
・国内景気に変調のシグナル(11/9)
・為替条項と副作用で日銀は出口策前倒し(11/7)
・一旦始めると止められない刺激策の麻薬性(11/5)
・強気通しを下振れリスクでヘッジする日銀の狙い(11/2)
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2018年10月配信分
・米中険悪化の中での安倍外交を危惧(10/31)
・米中間選挙が株の重しに(10/29)
・株価下落にトランプの負の側面(10/26)
・ドル円短期変動の主役は金利からリスクへ(10/24)
・債務依存の景気拡大も曲がり角(10/22)
・輸出が景気の足かせに(10/19)
・歯車が狂い始めた安倍政権(10/17)
・FRBはクレイジー発言でFRBはどうする(10/15)
・対中国戦略も米株に負担(10/12)
・新しい局面に入った米国の金利上昇(10/10)
・日本の景気を脅かす「内憂外患」(10/5)
・日米通商交渉、表の顔と裏の顔(10/3)
・日銀金融緩和の虚と実(10/1)
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2018年9月配信分
・人件費抑制がもたらす経済のゆがみ(9/28)
・3選果たした安倍総理に大きな試練(9/26)
・注目度が高まったFOMCでの「ドット・チャート」(9/21)
・日ソ共同宣言と日米安保(9/19)
・自民党総裁選前に風雲急(9/14)
・何かおかしな日ロ首脳会談(9/12)
・追い詰められた日銀の本音と建て前(9/10)
・安倍・トランプ連合の危機(9/7)
・強まる労働分配率への関心(9/5)
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2018年8月配信分
・米地区連銀が景気後退の可能性を示唆(8/31)
・異常気象が財政規律を破壊する(8/29)
・サウジIPO中止に見るパワーポリティクス(8/24)
・透けて見えるトランプの中国戦略の本音(8/22)
・貿易を救えない日米蜜月(8/17)
・FRBの利上げが新興国通貨不安に(8/15)
・好調米国株の死角(8/13)
・日本経済、単発エンジンの限界(8/10)
・日本の消費を圧迫する恒常所得仮説の重し(8/8)
・円安期待ははげ落ちるリスク大(8/6)
・中央銀行を揺さぶる新しい勢力(8/3)
・物価目標未達でも日銀は政策修正(8/1)
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2018年7月配信分
・物価下振れ下の日銀政策微修正とは(7/30)
・中国経済の実態は苦しい?(7/27)
・「トランプ」プラス「日銀」は円高(7/25)
・トランプの金利高、ドル高けん制発言が示唆するもの(7/23)
・トランプ外交の見えない部分(7/20)
・中国カードにもなるFRBの利上げ(7/18)
・見えてきた価格戦略の勝敗(7/13)
・列島豪雨、多くの死を無駄にしないために(7/11)
・トランプ「米国第一」の功罪(7/9)
・日銀の物価見直しとリスク(7/6)
・トランプの影響、相場にもくっきり(7/4)
・原油高に見る各国の思惑(7/2)
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2018年6月配信分
・所得分配をゆがめる日銀の金利調節(6/29)
・ドル高、終わりの始まり?(6/27)
・貿易戦争に隠されたトランプの狙い(6/25)
・景気の陰りが広がった(6/22)
・なぜ日本で消費者物価が上がらないのか(6/20)
・無視できない米イールドカーブのフラット化(6/18)
・綱渡りのパウエルFRB(6/15)
・歴史的米朝会談と日本の困惑(6/13)
・日銀は物価見通しの引き下げ準備(6/11)
・日銀は密かに金利高め誘導か(6/8)
・個人消費の弱さは重症(6/6)
・FOMC前後の為替の動きに要注意(6/4)
・日銀に追い打ちをかけた弱い鉱工業生産(6/1)
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2018年5月配信分
・収まらない米中貿易戦争(5/30)
・FRBが直面するジレンマ(5/28)
・市場から見た米朝会談破談リスク(5/25)
・景気の減速は本当に一時的か(5/23)
・「ミニ石油ショック」でも油断は禁物(5/21)
・米朝会談までは新興国不安回避要請?(5/18)
・インフレ目標事実上のギブアップ(5/16)
・米長期金利はすでに上昇トレンドに(5/14)
・新興国にイラン不安の追い打ち(5/11)
・トランプ貿易戦争のインフレ性(5/9)
・FRBの姿勢変化に注目(5/7)
・トランプ大統領ノーベル賞を意識(5/2)
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2018年4月配信分
・窮地の安倍政権、解散か総辞職か(4/27)
・物価目標2019年度も黄色信号(4/25)
・米長期金利再上昇の重み(4/23)
・日米首脳会談も安倍延命にはならず(4/20)
・無視できない政治混乱の影響(4/18)
・無理筋な日銀の物価目標(4/16)
・米為替報告書に注目(4/13)
・米はシリアで多国間軍事対応を検討(4/11)
・安倍政権維持への3つのハードル(4/9)
・物価上昇の内容が変わる(4/6)
・FRBはどこまで利上げできるか(4/4)
・キーパーソンはH.キッシンジャー氏(4/2)
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2018年3月配信分
・ハイテク株にもトランプ・リスク(3/30)
・見えてきた点と線(3/28)
・見えてきたドル円の100円割れ(3/26)
・姿を現したパウエルFED(3/23)
・自動車業界と流通業界とのコラボ(3/19)
・日銀の金融政策も政権如何(3/16)
・安倍政権に春の嵐(3/14)
・雇用絶好調でなぜ賃金が上がらない(3/12)
・金利差円安論はすでに破たん(3/9)
・二転三転する黒田発言の真意は(3/7)
・トランプならではの貿易戦争リスク(3/5)
・エネルギー株に3つのリスク(3/2)
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2018年2月配信分
・親子バトルが銀行株を圧迫(2/28)
・裁量労働制論議で露呈した日本の問題(2/26)
・中央銀行の支配者(2/23)
・半島融和の裏で中東に火種(2/21)
・(金利差・ドル円・株の関係が崩れる2/19)
・米国債のバブル性(2/16)
・トランプ予算教書に2つの危険性(2/14)
・日銀人事の裏側(2/13)
・市場不安定化が3月利上げの負担に(2/9)
・適温経済と適温相場は別(2/7)
・米金利とドル円の関係、ここに注意(2/5)
・米金利高が日本の投資家を襲う(2/2)
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2018年1月配信分
・個人消費の低迷に歯止めがかからず(1/31)
・物価本位主義見直しの時(1/29)
・安倍総理の密かな戦略を探る(1/26)
・規律を失い惰性に走る財政金融政策(1/24)
・米長期金利上昇は「吉」か「凶」か(1/22)
・強まる中国への風当たり(1/19)
・地政学リスクとビジネス・チャンス(1/17)
・粉砕される円安期待(1/)
・デフレ脱却宣言を拒む実質賃金の低迷(1/12)
・北朝鮮問題に新展開か(1/10)
・インフレ如何で変わる米国リスク(1/5)
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マンさんの経済あらかると』(2019年1月25日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。

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