先行指標はまずまずで市場の期待感はやや高め
それでは、雇用統計の先行指標を確認していきましょう。今回はISM(全米供給管理協会)による景況感指数が未だ発表されておらず、民間の雇用報告であるADP頼み。ご覧の通り、ADPは底堅い結果ですから、期待感はそこそこ高めのようです。
ADP雇用報告は前月から悪化したとはいえ、シャットダウンや年末商戦の影響を踏まえれば上々の結果、事前予想値の+18.0万人を上回って20万人の大台に乗せていますから、むしろ立派な数字といった認識のようです。
ADPの内訳をみるとサービス部門の雇用者が前月比で大きく上回った一方で、製造業や建設、鉱工業は過去半年で最高の伸びとなっています。一般にサービス部門よりも製造業は賃金が高い傾向にあるとされていますので、これは平均時給にとってもプラスでしょう。
実際、平均時給は前月比+0.3%・前年同月比で+3.2%と引き続き堅調な数字が予想されており、やはり市場全体としては、まずまず好結果を想定しているのかなと思います。
ドル円はまずは下目線で!1ドル=108.20~109.50円を想定
今夜の展望としては、現在の水準(108.90円)から上下にせいぜい50~60銭の値動きを想定するしか無いですね。それでも、上下どちらかといえば下方向を見ておきたいところでしょう。
やはり政策的なドル安要因が上値を重くしていますし、仮に平均時給を中心に予想を大きく上回り、来月3月の利上げが意識されてドル高となったとしても、同時に株安となれば円高が足を引っ張ることになりますからね。
逆に雇用者数を中心に予想を下回る弱めの結果となれば、少なくとも好感してドルを買うということにはならないでしょう。
ドル円にとって理想的なパターンとしては、強すぎも弱すぎもせず予想並の数字が出て市場の良好な雰囲気を保ったままジワジワとドル買いと円売りが進むということになりますが、ノイズの多い今回の雇用統計で、それを期待するのは難しいのかなと。
というわけで、まずは構造的なドル安が続くということもありますから、まずは下目線でドル円はショート・戻り売りを狙っていきたいところでしょう。
ドル円はご覧の通り上値を切り下げていますしね。目先では109.00円の節目ちょうどにある21日移動平均線が壁となっており、引き続きここを中心に上値は重いでしょう。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2019年2月1日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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