騒がしく乱高下する株式市場を尻目に、為替は静かなものだ。11月6日に迫った中間選挙の結果でドル円は一体どうなるのか。あえてこの段階での予測をしてみたい。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2018年10月26日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
ドル円はどう動く? シナリオは3つ、現実的なのは1つだけ…
荒れ狂う株式市場
米国の中間選挙があと10日と近づきました。
ここに来て中国の市場不安、サウジアラビアの問題、決算内容の問題などが突然に顕在化してきて、中間選挙の前段階であるにも関わらず米株は暴落といって構わないレベルの大きな下げを日替わりで繰り返しました。
東京タイムでも、それを受けた日本株が世界的に最も大きな下げ率を示現しています。
沈黙を保つ為替市場
しかし為替のほうはユーロが大きく売り込まれた以外はドルは総じて堅調であり、ドル円も株とは裏腹にほとんど動かない相場が延々と継続中です。
そこで今回は、10日後に迫った中間選挙の結果でドル円が一体どうなるのかについて、あえてこの段階での予測をしてみたいと思います。
といってもそれほど複雑なシナリオが見えてこないのが、この選挙の特徴ともいえそうです。
シナリオ1:ねじれ議会で「円高」へ
現状の世論調査やメディアの報道などからみますと、今回の中間選挙は明確なテーマというものが欠如しており、あえていえばトランプが好きか嫌いか、あるいはこれまでの政策に対する信任投票的な意味合いがかなり強くなってきているようです。
事前の世論調査などを総合しますと、どうも上院はトランプ支持で共和党、下院は民主党になりそうな気配がかなり強まっています。
こうしたねじれが出るとトランプの政策運営が困難になることから、ドル円が下落した円高方向に動くのではないかという話が、ひとつのリスクシナリオとしてまことしやかに語られています。
しかし2年前の大統領選でトランプ勝利なら株もドル円も大暴落という予想はまんまと大外れしていますから、事前の相場予測ほど当てにならないものもないといえます。