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「トランプ政策の毒」が回って世界同時株安へ、市場は一国主義の限界を感じている=斎藤満

ついにトランプ政策の「負の側面」が表に出てきました。中国リスクや金利高の問題が噴出し、一国主義が米経済を圧迫する懸念を株式市場は感じ取り始めています。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※本記事は有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2018年10月26日の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

本当に「日本株の調整は一時的」? 好調要因の企業収益に陰りか

中国と金利高のWショック

10月になって2日で1,300ドルあまりの急落を見せた米国株も、いったん落ち着いたかに見えました。ところが、23日のニューヨークでは朝方一時500ドル以上も下げる事態に。決算で予想を下回ったキャタピラー株が8%も下げたことがきっかけで、その後下げ幅は縮めましたが、翌24日にはダウは600ドル超も下げ、株価の変調を印象付けました。

NYダウ 日足(SBI証券提供)

NYダウ 日足(SBI証券提供)

CATERPILLAR INC<CAT> 日足(SBI証券提供)

CATERPILLAR INC<CAT> 日足(SBI証券提供)

キャタピラーは代表的な「中国銘柄」で、トランプ政権が進める中国との貿易戦争の行方や、中国経済の変調が収益を圧迫するようになりました。また9月の新築住宅販売が5.5%も減少し、住宅在庫が7.1か月分まで増えてしまいました。30年物の住宅ローン金利が年初来0.8%も上昇しているのが効いてきました。

トランプ大統領の大規模減税なとで景気も企業収益も総じて好調でしたが、これまでの「トランプ・ユーフォリア」を楽しむ局面から、「トランプの毒素」が出始める段階に来ました。

中国リスクも金利高もトランプ政策の負の側面であり、株式市場はトランプ政策の正の側面から負の側面に目が向き始めたという点で、バランスが変わりつつあるようです。

トランプ政策「負の側面」が噴出

米国第一主義を掲げるトランプ政策は、確かに資源を米国が独り占めし、輸入を減らして国内に工場を増設させ、生産のチャンスを拡大、金融引き締めで金利が上がっても、海外から資金を吸引してひっ迫を回避しています。国内市場中心の企業にはプラス効果が出ているはずで、現に収益が予想を上回るところが75%もあります。

その一方で、中国やメキシコで生産したものを米国に持ち込むことを制限し、新興国の資金を米国の高金利で引き寄せているため、新興国や周辺国では生産機会の減少、資金流出による意図せざる金融引き締めで、自国通貨安に金利高、株安が追い打ちをかけています。その一端が中国経済の減速につながっています。

キャタピラーは一例ですが、中国やメキシコなどでビジネスを展開するグローバル企業は、米国第一主義のあおりを受けて、収益の悪化を余儀なくされるようになりました。トランプ政権にしてみれば、それが嫌なら米国本土でビジネスを拡大しろ、ということになります。よりコストの安い地域で生産するやり方が、トランプ政権の下では通じす、国内に回帰すればコスト高となり、収益を圧迫します。

Next: 市場は一国主義の限界を感じている? 日本でも海外収益の減退懸念が…

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