どちらが勝っても米債金利は上昇という見方が優勢
相場に絶対という言葉はありませんから、中間選挙の結果を受けて相場が動いてしまうリスクが全くないとは言えませんが、むしろ市場関係者が口をそろえて言い始めているのが、「どういう結果が出ても米国の長期債の金利が上昇するであろう」という予測です。
トランプの政策はことごとくインフレを助長するような内容ばかりですから、債券金利が上昇するのはほぼ間違いない状況です。
とくにトランプは中間選挙対策で中間層をターゲットにさらに減税のプランを持ち出してきていますから、トランプが継続して政策を打ち出し続ければ間違いなくインフレを助長することになりそうです。
一方、仮に民主党が圧勝するようなことになれば、また大きな政府が戻ってくることになります。そうなると、足元で日本円にして2200兆円あるとされている米国の債務が減る可能性は皆無といえる状況です。
米系ファンドはかなりのプレーヤーが米債金利の上昇に賭けている状況ですから多少ポジショントークもあるのかも知れませんが、冷静にみてもここから金利が上がるリスクは高くなりそうで、一時的に選挙結果からドル安の方向が出たとしても、また金利の上昇でドル円も上昇することが想定されます。
中間選挙後も結局は「ドル高」へ
足元の市場では人民元安が進行していることから、中国に出回った資金がかなり米国に回帰しはじめているようです。
日本国内でも、米債金利が高くなっていることから機関投資家があらためて米国のオープン外債を購入する動きもあり、年末にかけては需給面からみてもドル円が上昇しやすい状況が続きそうです。
こうした材料を総合的に考えますと、結局ドル円は中間選挙後もドル高になることが想定される状況です。