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なぜ麻生大臣ほか政府幹部が日銀を批判?選挙対策の消費増税「再延期」作戦が始まった=斎藤満

麻生大臣ほか政府幹部から日経新聞まで、「日銀は2%物価目標に固執すべきではない」との意見が出はじめました。これには消費増税延期を含む政治的意図が透けて見えます。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※本記事は有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2019年3月18日の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

政府の手持ちのカードは2つ。選挙上手の安倍政権が策に溺れる?

これは日銀包囲網?

2%の物価安定目標達成に拘泥する日銀に対して、政府やその周辺から、より柔軟な対応を求める声が出始めました。

先陣を切ったのが、安倍総理への経済アドバイスを担当する浜田宏一内閣官房参与。彼は先月、ロイター通信のインタビューに答えて、雇用など経済成果が上がっているなら、日銀は2%の物価目標にこだわる必要はない、との見方を示しました。

そもそも国民は物価上昇を望んではいない、とも言いました。日銀の金融緩和策は、あくまで経済成果を最大限にするための手段で、物価目標もその手段にすぎず、完全雇用に近い状況が達成されているなら、物価上昇にこだわるべきではない、と言っています。

そして先週は麻生財務大臣が金曜日の閣議後の会見でも、日銀の物価目標が達成されないからと言って、文句を言っている人はいない。日銀が物価目標にこだわって無理をすれば、おかしなことになる、と言い、政権内部からも日銀のやり方に批判ともとれる発言が飛び出しました。

そして16日土曜日の日経新聞朝刊は1面で「マイナス金利経済を冷やす?」との記事を掲載しました。欧州ではマイナス金利によるコスト高から、銀行が貸出金利を引き上げ、経済を冷やす事例も紹介、両論あるものの、マイナス金利の弊害も紹介し、日銀の金利政策に一石を投じる書き方をしています。

その点は全く違和感がなく、私もマイナス金利を導入した当初、金利はゼロが最も抵抗が少ない状態で、マイナス金利も誰かが負担を強いられ、コスト高になるので実際は利上げと同じような引き締め効果を持つことを示しました。欧州の銀行はまさにこれを裏付けるような貸出金利の引き上げを行っています。まだ日本の銀行はそこまで踏み切れず、収益の悪化に甘んじるか、不動産融資などリスクのある分野で高金利を求めています。

その結果、日本では経済が冷える前に銀行の収益が悪化し、不動産ローンでトラブルを起こすケースなどが見られるようになり、いずれにしても「弊害」が金融市場に広がっています。

問題は、これまで安倍政権に好意的だった日経新聞がこの問題を1面で取り上げたことです。これは記者の思い付きで書ける場ではなく、編集長の責任、従って日経本紙の責任の下に、あえてこの記事を持ってきたということです。それだけ政治的な意図もうかがえます。単なる日銀批判、政府批判ではなく、政府の意向がすでに異次元緩和からその修正に変わっている可能性を示唆しています。

Next: 不自然なほど強気な日銀。なぜ政府や大手メディアは横やりを入れ始めた?

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