にわかに注目されている財政拡大理論、通称「MMT」をご存知でしょうか?「独自の通貨を保有する国の政府は、通貨を限度なく発行できることから、デフォルトに陥ることはなく、政府債務残高がどれだけ増加しても問題ない」という理論です。ノーベル賞学者が鼻で笑うこのトンデモ理論を、すでに実行に移している国があります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年3月12日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
経済成果は出ていない。MMT政策の副作用が出るのはこれから…
ノーベル賞学者が鼻で笑う「MMT」理論
ここへきてにわかに注目されている財政拡大理論、通称「MMT」をご存知でしょうか?
「独自の通貨を保有する国の政府は、通貨を限度なく発行できることから、デフォルトに陥ることはなく、政府債務残高がどれだけ増加しても問題ない」という理論です。
これは近代経済学から考えればとんでもない理論であり、少し賢い小学生が聞いても首をかしげるだろう内容です。
このMMT理論、米国の政府債務がすでに22兆ドル、日本円にして2,400兆円にまで膨らんだことから、これをどうするかの議論でいきなり登場したもので、米国内では想像以上にこの理論の実践をめぐって激しい論争が巻き起こっています。
MMTの実践を提唱する1人として有名なのが、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授です。ユーロのように共通通貨を持つなかでの国はデフォルトリスクがあるものの、米国のような独自通貨をもつ国では政府債務増加がマクロ的供給不足を引き起こすことでインフレを起こさない限りはなんら問題ないとしています。
これについて、多くのノーベル賞学者やウォール街の経営層からも話にならないクズ理論であると猛烈に揶揄されています。
とんでもない錬金術を先行実践する、MMT先進国「日本」
しかし、冷静に考えてみますと、この理論を2012年末から粛々と進めている国があることに気づかされます。
そうです。アベノミクスとやらの自分の名前を入れた経済政策を行っている安倍首相と、日銀黒田によるアベクロ政策が、まったくもってこの世界を突き進んでいるのです。
いくら国の借金が増えても、紙幣だけ印刷してバラまいていれば特段問題はないし、インフレも起こらない。
これは箇条書きにしてみると。まさに足元の日本がやらかしている政策にほかなりません。