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いきなり!ステーキ、いきなり業績不振へ。値上げしたら負ける国内デフレの深い闇=今市太郎

従業員の給与は高いが、価格には到底反映できない

「いきなり!ステーキ」というと、働く側にとっては月給50万円保証や採用時30万円支度金など、業界としては破格の待遇が設けられていることから、人手不足とは無縁の外食チャネルとなっているようです。

こうした人件費の上昇を簡単に商品価格に転嫁できないのもまた事実であり、国内経済は依然としてデフレ風味を引きずっていることがよくわかります。

とくに顧客の消費では、価格というものが非常に大きな障害となっています。多くの食品メーカーは、値上げを絶対価格の値上げではなく、量を少なくして上昇したように見せないことに血道をあげている状況がそれを如実に示しているといえます。

未曽有の日銀の量的金融緩和も、気が付くと結局デフレから完全に足抜けできないところにあることに改めて気づかされるわけです。

「いきなり!アイス」の次は、いきなり閉店か…

「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスは、今年もまったく懲りることなく出店を拡大する計画で、その数は実に210店舗に及ぶといいます。

また昨年末から一部の店舗「いきなり!アイス」の商品販売も始めているようです。

様々な成長余地を探る展開なのかもしれませんが、11か月連続の前年同月比割れの売り上げを規模の拡大で凌駕していくというのは、高度成長期に人口が増えているときならまだしも、足元の人口減少と高齢化社会が急激に進む中にあって本当に親和性があるのかについて、かなりの疑問が残ります。

この次は「いきなり閉店」祭りにならないことをくれぐれも祈りたい気分です。

Next: 「いきなり!ステーキ」は日本の未来?値上げへの拒否反応は根深い

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