昭和から平成へ移行後に「バブル崩壊」
そして30年ほど前の昭和から平成への移行時は、昭和天皇崩御ですぐに平成となったわけですが、この平成元年の年末に日経平均は3万8915円をつけて翌年大きく下落を始めることになったのはご案内の通りで、実に30年近く失われた年月を経過することになるのです。
この平成元年には消費税が初めて導入されていることは意外に皆さんご記憶にない方が多いのですが、実は平成がこの税制の始まりだったのです。
改元自体が金融市場に問題を起こすわけではないが、確実に問題は起きている
もちろん改元が不吉な金融市場の問題を起こす元凶であると言っている訳ではありませんので、誤解のないようにお願いしたいとは思います。
ただ、時代の変化の節目に金融市場でも不測の事態が起きているということは、記憶にとどめておいてもよさそうな状況になっているのです。
今回の新しい元号の施行が、昭和・平成と同様に何か大きな変化をもたらすことになるのかどうか。それはまったくわかりませんし、改元を不気味なことというのはまさに不遜きわまりない発言で許されるわけはありません。
しかし、リーマン・ショックからちょうど11年目に入る今年、しかも消費税率を10%に予定通り上げようとしているこのタイミングに、不吉な事象が発生しないことを願いたい気分となってきています。
投資家は「改元後」に注意を払うべき
さらに時の政権が、どれだけ譲歩して評価してみてもかなりおかしな方向に向かっているのもまた事実で、とくに経済・金融政策については「本当に今のままでいいのか」という強い疑問が顕在化しつつあります。
改元が金融危機のアノマリーと言い切るにはケースが少なすぎますが、ちょうど昭和も平成もその節目に金融危機が訪れているのは事実です。
これが単なる偶然なのか、より深いものがあるのかどうかはわかりませんが、気を付けるに越したことはない時間帯といってもいいのではないでしょうか。
世界的にも経済の減速感が強まっているわけですから、とにかくこの時期を注意深くトレードをしながら過ごしていくという用心深さを発揮しても悪いことはなさそうです。