fbpx

ソロスのポンド売り崩しを私はこう切り抜けた~イベントリスク管理術=矢口新

例えば、ジョージ・ソロスなどが英ポンドを売り崩したとされる時(編注:1992年のポンド危機時)には、我々ソロモンの為替チームはフロリダ州オランドでのグローバル会議を終えて、午後の親睦ゴルフのラウンド中でした。

そこにロンドンからの緊急電話が入り中断、急遽解散してそれぞれの拠点に帰国となりました。ソロモンは投資顧問勘定を含めてポンド・ロングでしたので、いち早くショートに転じることができました。

フロリダの午後は、日本の真夜中です。個人がポンド・ロングのまま寝ていて、誰も電話で起こしてくれなかったなら、寝起きが悪いことになります。

また、損切りオーダーを入れていても、レバレッジ次第ですが、口座資金がほぼなくなる程の損失となったと思います。

では、ポジションを抱えたまま寝ていたが、幸いまだ強制損切とはなっていなかった。あるいは、大きな利益になっていた場合にはどうするか?

私は損切でも利食いでもポジションを閉じることをお勧めします。トレードはビジネスのように行うものです。アンラッキーやラッキーに左右されるものではありません

同じことは、日中にポジションを抱えていての急落、急騰でも言えます。次に売買できる価格でポジションを閉じ、損失でも利益でも受け入れて、次の展開に備えるのです。

長期保有の方が短期トレードよりもリスクは大きいのです。

株式の長期保有はむしろ発行会社にとってメリットがありますので、個人のささやかな微力でも、巨大企業を応援したいと思う方々は、そのつもりで長期保有をなさって下さい。

【関連】カネの流れで考える「米国の本音」これからの中東情勢とIS問題=矢口新

【関連】世界恐慌の噂を検証~ドイツ銀行が破綻するとは思えない10の理由=矢口新

1 2

相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』(2015年11月30日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―

[月額880円(税込) 毎週月曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
ご好評のメルマガ「相場はあなたの夢をかなえる」に、フォローアップで市場の動きを知る ―有料版― が登場。本文は毎週月曜日の寄り付き前。無料のフォローアップは週3,4回、ホットなトピックについて、より忌憚のない本音を語る。「生き残りのディーリング」の著者の相場解説!

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー