2016年の相場見通しまとめ~「二見に堕す」なかれ
さて、2016年の相場見通しをここまで書いて、
- 政権連動相場と7月衆参両院選挙…強含み
- 海外勢の売買動向…弱含み
- 日経新聞「20氏アンケート」…弱含み
となった。
では結局、山崎和邦は強気なのか、弱気なのか?一体お前はどっちなんだ、と読者諸賢は言いたくなったであろう。
そこで、また僭越なことを言わせてもらう。
甲か乙か、いずれかに早急に決めようとするのは「二見に堕す」(にけんにだす)と言って避けるべきことだと従前より述べてきた。禅語である。これは「知性」の放棄を意味する。
正解がある問題は「知能」良きものが解を得る。一方で、正解なき問いに対して解を得ようという強靭な格闘力を「知性」と言うのだ。加えて言えば、甲論乙駁(こうろんおつばく)する果てしなき闘いの結果こそが知性というものであろう。
投資に必須となるのは「知能」でなく「知性」である。簡単に割り切ろうとするのは知性の放棄である。解を得ようとして焦るのではなく、ないかもしれない解を求め続けていく、その問いにこそ意義がある。
簡単に「割り切る」のではなく、(見極めてやろうという)「腹を固める」ことこそ、新春を迎えるにあたっての好ましい「知性」のあり方であると信ずる。
経済予測、相場予測における通説は多くの場合、読者諸賢に安心感と心地よさを与えてくれるものだ。そうでなければモノが売れない。私はそれを承知で、ここではホンネを述べたつもりである。
正月早々から僭越な内容となってしまった。だが、それが本稿の嫌味であり持ち味であるとして願わくば諸賢、了とされたい、御容赦を賜りたい。
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
山崎和邦 週報『投機の流儀』
[月額1500円(税込) 毎週日曜日配信]
市況動向や世界的超金融緩和の行く末を、学者兼投機家の視点で分析。読者質問コーナーでは活発な意見交換も。初月無料で会員限定の投機コミュニティを覗いてみるチャンス!